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第7話 実技試験

 筆記試験を終えて次の実技試験の為にブランを迎えに行こうと思ったら途中でルナ、シエルと遭遇した。


「あ、オルフェウス、筆記試験どうだった?」


「うーん、大丈夫だと思うよ」


「おぉー、意外!○×問題とか細かいとこで違ったりしてたけど、気づいたんだ」


「流石にあれくらいわかるよ」


 この国の首都の問題でしょ。

 最後にスが足りてないのは気づくよ。


 ブランたちを預けている建物に入ると一目散に飛び込んで来る子が。


「キュイ!!キュイキュイー!!」


 よしよし、いい子いい子。


「キュイキュイ」


 一時的に預けるのにすっごく抵抗してたからちょっと心配だったけど、ここまでか……

 一応、フィアとオルクが一緒にいたけど、それでも寂しかったのかな。

 目がうるうるしてる。


「キュイ、キュイ〜」


「可愛い〜」


 一頻ひとしきり泣いたり、甘えたりして寝てしまったブランの寝顔を見てうっとりしてるシエル。

 スヤスヤと幸せそうに寝ているブランはシエルが抱き抱え、実技試験の会場へ入る。

 さっきの筆記試験とこれから行う実技試験の結果で合否が決まる。

 試験官から実技試験は二つ行われると説明があった。

 試験内容は最初にチーム毎に指定されたモンスターを倒し、クリスタルを持って来る。

 今から行われる最初の実技試験の制限時間は明日の朝9時まで。


 オレたちが指定されたモンスターはゴブリンソルジャー。

 ゴブリンの上位種で剣と盾を持つ攻守に優れたモンスター。

 ゴブリンソルジャーは王都近郊の森に出現するので、早速オレたちはそこに向かった。


「ルナはよくゴブリンソルジャーがこの森に出現するって知ってたね」


「これも試験対策の一環よ」


「なるほどね」


 指定されたモンスターがどこに出現するかわからないと嘆いていたチームも幾つかあった。

 オレもゴブリンソルジャーが指定された時はどこにいるの!?ってなったからね。


「シエル、そろそろブランを起こしてオルフェウスに返してあげて」


「えー、もう?」


「もう少し進めばゴブリンソルジャーが出てくると思う。その前に起こさないと」


「むー」


 膨れつつもブランをしっかり起こしてオレに渡してくれた。

 まあ、ブランがシエルの腕の中でじたばたしてオレの腕の中に飛び込もうとしたから仕方なくって感じだったけど。


「キュイ、キュイ〜」


 しばらく森を進むとゴブリンソルジャーがオレたちの前に姿を現した。


「フィア、『スラッシュ』!」


 フィアの『スラッシュ』は何かしらの防御スキルを使ったゴブリンソルジャーによって受け止められる。

 だが、これは想定の範囲内。


「ブラン、『体当たり』!」


「オルク、『スラッシュ』!」


 ブランとオルクがゴブリンソルジャーを左右から挟撃する。


「キュイ!?」


「ゴブ!?」


 ゴブリンソルジャーが瞬時にバックステップで背後へと動いたことでブランとオルクは正面衝突し、ブランが耳を伏せて目をしょぼつかせた。

 フィアも2体がゴブリンソルジャーとの間で倒れている影響で動けないでいる。


 うーん、強いというより戦い方が上手いって感じかな。

 通常のゴブリンだと今のでそれなりのダメージを与えられたんだけどな。

 さてさて、どうしようか。

 ブランの素早さで引っ掻き回す……いや、冷静に動きを見極められてカウンターをもらいそうだな。

 やっぱり連携してゴブリンソルジャーを少しずつ崩すしかないか。

 でも、連携の練度が問題になる。


「ルナ、シエル、連携して戦わないと勝てない。だから簡単な役割分担を決めよう。そしたら多少の練度は補えると思う」


「オッケー!ならフィアが正面で防御を受け持つわ」


「はい!」


「それならオルクは隙あらば攻撃だね!」


「ゴブ!」


「じゃあ、ブランは素早さを活かして攪乱して隙を作る感じかな」


「キュイ!」


 早速、3体がそれぞれ動き出した。

 フィアは正面から果敢に攻撃を仕掛けているが、悉く盾で防がれている。

 このままでは剣によるカウンターをもらい兼ねないが、そこはブランが上手く立ち回っている。

 剣を持つ右側で間合いに入ったり、出たりとちょこまかとしてる。

 これにより、ゴブリンソルジャーはブランに意識を割かざるを得ない。


「今だよオルク、『スタンアックス』!」


 フィアからの攻撃を防ぐのに盾を、ブランを牽制するのに剣を使っているゴブリンソルジャーが左斜め後ろから迫り来るオルクの攻撃を防御するのは不可能。

 もし、盾で防ごうとすれば、正面からフィアの攻撃が直撃する。

 体勢からして剣では防げない。確実に攻撃は当たると思われたが、オルクとフィアの攻撃は両方とも空振りに終わった。

 またしてもバックステップで背後に退くことで攻撃を回避された。

 しかし、これはオレの狙い通り。


「ブラン、『ジェットアタック』『体当たり』『つつく』!」


「今よフィア、『ソニックスラッシュ』『チャージスラッシュ』!」


「オルク、『アックスハンマー』!」


 ブランの攻撃で完全に体勢を崩したゴブリンソルジャーにフィアとオルクの追撃が決まる。

 だが、僅かにHPが残り、倒すには至ってない。

 ブランたちの攻撃スキルは全てクールタイムに入っている。

 こうなると時間を掛けて地道に通常攻撃で削るしか……


〖ブランが『ジェットペック』を取得しました〗


 この時、初めてゴブリンと戦った時と同じでオレの頭の中に再び声が響いた。

 ブランのステータスを確認するとあの時同様に新たなスキルを取得している。


「ブラン、『ジェットペック』!」


「キュイ!」


『ジェットアタック』の『つつく』版の『ジェットペック』が決まり、なんとか倒すことができた。

 そしてゴブリンソルジャーのクリスタルを無事に手に入れる。

 これで一つ目の実技試験は無事にクリアかな。


 名前:ブラン Lv2→6

 種族:角兎 ♀

 HP:70→150

 物理攻撃力:6→10

 物理防御力:5→9

 魔法攻撃力:0

 魔法防御力:2→6

 素早さ:9→13

 SP:1→5


 <スキル☆>

『体当たりLv2→3』『つつくLv2→3』

『ジェットアタックLv1』『ジェットペックLv1』new


 名前:フィア Lv1→6

 種族:エルフ ♀

 HP:80→180

 物理攻撃力:2→7

 物理防御力:1→6

 魔法攻撃力:5→10

 魔法防御力:7→12

 素早さ:2→7

 SP:0→5


 <スキル☆>

『剣適性』『魔法適性』


『スラッシュLv1→3』

『ソニックスラッシュLv1』new

『チャージスラッシュLv1』new


 名前:オルク Lv1→6

 種族:ゴブリン ♂

 HP:50→150

 物理攻撃力:3→8

 物理防御力:3→8

 魔法攻撃力:0

 魔法防御力:2→7

 素早さ:4→9

 SP:0→5


 <スキル☆>

『斧適性』


『スラッシュLv1→3』

『スタンアックスLv1』new

『アックスハンマーLv1』new

次回、『最終試験』に続く

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