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《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編

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第60話 シエルVSタキオン

 なんとかダインくんに勝てたけど、最後は危なかった。

 ネメシスが上手く立ち回ってくれなかったら負けてたかも。


 ネメシスと一緒に応援席に戻ると、胸を張り、満足気な顔をしたブランが「キュイ」と出迎えてくれた。

 ただ、直ぐに次の試合を控えているシエルが「ボクの応援!」とか言って、ブランを連れて行った。


「お疲れ様、オルフェウス。最後、油断したでしょ?」


「ははっ……、さすがにバレてるよね」


「まあ、結果 勝てたんだし、今回の反省点は次に繋げればいいでしょ」


「そうだね、ありがとうルナ」



 ◆◇◆◇



「それでは二回戦第二試合を始めます。シエルさん、タキオンくん、準備はよろしいですか?」


「はい」


「ブランちゃん、応援の準備はいい?」


「キュイ!」


「はい!ボクも大丈夫です!」


 シエルがブランを抱きしめている事に、フォルリオ先生は一回戦の時と違い、何も言わない。

 きっと、言っても無駄だから諦めたのだろう。


「……それでは、二回戦第二試合、始め!」


「頼んだよ、ウルフェン!」


「さっきは、ウィルだったし、今度はオルク!出番だよ」


 タキオンのモンスターはウルフェン。

 入学式の自己紹介では、ウルフだったが、進化してかなり、見た目が変化している。

 鋭い琥珀色の目は変わらないが、1メートルくらいだった大きさは、その倍 2メートル近くなっている。

 それに、筋肉質で引き締まった体躯に、黒い縞模様の毛並み。

 まるで別のモンスターを見ているようだ。


 対するシエルのモンスターは、オルク。

 素早く動き回るウルフェンを捉えることができるか、どうか。

 それが勝負の鍵となりそうだ。


「ウルフェン、『スマッシュラン』!」


 後方へ大きくジャンプし、オルクと距離を取る。

 先制攻撃を仕掛けてくると思い、身構えたオルクは拍子抜けしたのか、構えを解く。


「……オルク、構えて、警戒して!」


 シエルに明確な考えがあったわけではない。

 ただ、なんとなく、構えを解いてはいけない気がした。

 それだけだった。


「……くっ」


 次の瞬間、大きく助走を取ったウルフェンがオルクへ向かって駆け出す。

 ウルフェンの一踏みによる衝撃で地面が割れた。

 そのまま、全身を使って跳びかかりながら肩と前脚を叩きつけるように突撃する。

 しかし、寸前の所でジャンプしたオルクの真下を勢いよく通り抜ける結果に終わる。


「『テイルスイープ』!」


 勢いそのままにウルフェンは、体をひねり、勢いよく尻尾を横薙ぎに一閃。

 ジャンプし、空中にいたオルクにこれを回避する術は無く、直撃する。

 そのまま、地面に倒れ込み、隙が生まれる。


 シエルは一瞬、言葉を失った。

 ブランも「キュ……」と声を詰まらせる。

 ウルフェンのそれは、シエルの想像を遙かに越える動きだった。


「……もう!オルク、ブランちゃんが心配してるよ!こっから一気に巻き返すからね!」


「ゴブ!」


「キュイキュイ!!」


「ウルフェン、そのまま『ランパントダッシュ』!」


 地面を蹴って助走をつけたウルフェンが、一直線に駆け抜けてオルクへ体当たりを仕掛ける。

 爪が大地をえぐるほどの加速音がフィールド、いや、闘技場全体に響き渡る。


「オルク、『ルイン・ドライバー』!!」


 一直線に駆け抜けて来るウルフェンに対して、オルクは斧を高々と振りかぶり、正面から迎え撃つ姿勢を見せる。


 ウルフェンの『ランパントダッシュ』とオルクの『ルイン・ドライバー』が正面からぶつかる。

 結果、オルクの『ルイン・ドライバー』がウルフェンを弾き返した。


「なっ!?」


 これには驚きを隠せないタキオン。

 まさかあれだけの助走距離を確保してから放った『ランパントダッシュ』が弾き返されるとは思いもしていなかった。

 そして、この現実が物語っているのは、オルクの『ルイン・ドライバー』は☆☆の高Lvスキル、もしくは☆☆☆スキルのどちらか。

 考えても答えは出ない。そう、割り切るタキオン。


 ウルフェンは地面に爪を立て、後退しながら体勢を立て直し、すかさず反撃に出る。


「ウルフェン、『クローラッシュ』!」


 ウルフェンが円を描くようにオルクの周囲を駆け回る。

 その度に鋭利な爪で引き裂こうとするも、ギリギリの所でオルクに回避される。


 持ち前の素早さを活かした攻撃が決まらない。

『ルイン・ドライバー』による予想外のダメージ。

 それもあって、ウルフェンの動きに少しずつ焦りが出始める。

 それをシエルは見逃さなかった。


「動きから繊細さが消えてる……」


「キュイ?」


「……捉えた!オルク、右斜め後ろに『アックスハンマー』!」


 シエルの指示が耳に入ると同時に、身を翻し、その反動と勢いを利用して瞬時に斧を振り下ろす。

 すると、丁度 攻撃しようと試みていたウルフェンに直撃し、そのまま大地を砕いた。


「よし!もう一発、今度は『スタンアックス』!」


「ゴーブ!!!」


 地面に肢を広げ、倒れ伏しているウルフェンに、今度は大きくジャンプし、その勢いを上乗せした『スタンアックス』が炸裂する。

 最後、オルクの猛攻に手も足も出ないままウルフェンのHPは0になり、クリスタルとなった。


「勝負あり。勝者、シエルさん!」


 こうして二回戦第二試合はシエルの勝利で幕を閉じた。

 そして、三回戦(準決勝)ではシエルとオルフェウスの初対決が確定した。


 そして、二回戦第三試合はミューラとガイドの対決となった。

 ドラゴニュートのニューとコボルトのコルン。

 このトーナメント初となる同じチームの仲間対決。

 お互いに手の内をよく知った仲。

 接戦になると誰もが予想したが、遠距離から一方的にニューが攻撃し、コルンを倒すという、なんとも言えない結果に終わった。

次回、『ルナVSカレン』に続く

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