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《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編
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第15話 ブリーダー基礎学

 束の間の自由時間も気づいたら終わり、フォルリオ先生によるブリーダー基礎学の授業が始まった。


「まず最初にブリーダー基礎学で何を学ぶのか説明します。基本的にブリーダーになる上で必要な基礎知識を身につけてもらいます。この時点で何か質問がある人はいますか?」


 シーン


 いや、質問って言われてもさすがに何も思い浮かばないよ。


「質問が無いようですので早速、モンスターのスキルについて説明します。自分が仲間にしたモンスターのステータスを見て疑問に思った方もいるかもしれませんが、スキルの横に☆があります。これはスキルのランクを示しております」


 あ、それなら最初にルナとシエルが教えてくれたから覚えてる。


「☆が多いほどランクの高いスキルとなり、強力です。☆は最大で五つです。では、オルフェウスくん。スキルのランクは全部でいくつあると思いますか?」


「え、えっと☆が最大で五つなので、それと同じ五つだと思います」


「……」


 ん?何、この間。

 オレ何か変なこと言ったかな。

 うーん、というかオレを見た後、後ろに座っているルナとシエルの方も見たよね。

 もしかしてオレの答えが間違ってたから次にルナを当てるか悩んでるとか?


「結論から言いますとスキルのランクは全部で六つあります。スキルランクは下から順に、☆、☆☆、☆☆☆、☆☆☆☆、☆☆☆☆☆、★の六段階存在します。☆の数とスキルのランクの数は同じではありませんので、注意して下さい」


 なるほど。☆☆☆☆☆の上に★が存在するのか。

 やっぱりランクの高いスキルの方が強力なのかな。

 あ、でも、その分クールタイムとかが長そう。


「基本的にスキルの威力はランクとLvで決まります。ですが、同ランクのスキル同士が衝突した場合でもスキルLvが高い方が勝つとは限りません。この場合、属性相性というものも考慮に入れる必要があります」


 属性相性か。ゲームあるあるだよね。

 弱点属性の攻撃だと与えるダメージが通常よりも大きかったりするやつ。

 リアルだと純粋なスキルの威力として反映される感じかな。

 それとも弱点属性の攻撃によって相手の攻撃の威力が落ちる感じかな。


「属性相性はこちらに示した図の通りとなっています。しっかりと覚えてこれからに活かして下さい。火は風に強く、風は土に強い。土は水に強く、水は火に強い……という感じで一周する円環構造です。光と闇はお互いが弱点。雷属性はそのどれにも優位で、弱点がありません」


 火→風→土→水→火 光⇄闇 雷


 火属性は風属性に強く、風属性は土属性に強い。

 その土属性は水属性に強く、水属性は火属性に強いか。

 それから光属性と闇属性は互いに弱点属性っと。

 雷属性だけポツンと浮いてるけど、何でだろう?弱点属性が存在しないのかな?


「疑問に思う方もいるでしょう。何故、雷属性だけ浮いているのか。答えはシンプルです。雷属性には弱点属性がありません。ありとあらゆる属性に対し、優位が取れます」


 え、弱点属性が無いだけでも十分過ぎるほどに強いのに全属性に対して優位を取れるの!?

 いくらなんでも強すぎない?さすがに雷属性のスキルは他に無いデメリットとかあるでしょ。


「雷属性は強力な反面、適性を持つモンスターは極僅かです。しかし、そのモンスターは例外無く、強い」


 例外無く、強いか。そりゃあ、適性を持つモンスターが少ないだけで特別デメリットが無ければ、強いでしょ。


「次にブリーダーについてです。ブリーダーとは、当学園を卒業した生徒を示す総称となっています。モンスターを育成する者ではありませんので、注意が必要です」


 ルナからこの世界における一般常識を教えてもらう際に同じこと言われたな。

 入学試験で出題される可能性もあるからまだ覚えてるよ。

 一応、後から見返せるように板書はするけど。


「では、ブリーダーが普段何をしているのか皆さんはご存知ですか?」


 ブリーダーが普段何をしているのか。

 改めて言われると何だろう……

 モンスターを育成するとかじゃないのかな。

 あとはダンジョンに挑戦して魔道具とかの動力源であるクリスタルを入手する。

 学園に入学する前はクリスタルをブリーダーショップで売ってお金を稼いだし、基本はそんな感じじゃないかな。


「ブリーダーには三種類あります。一つはモンスターを育成し、ダンジョンに挑戦する育成型ブリーダー。入手したクリスタルなどをブリーダーショップで売却し、その収益で生活を営みます」


 あ、オレの予想通りだ。

 でも、あと二種類もあるのか。

 全然、わかんないな。


「次に私のような教育型ブリーダーです。主に当学園の教員やアルカディア王国専属のトレーナーのことを示します。最後に研究型ブリーダーです。こちらはモンスターの進化などを研究しています。皆さんも卒業すれば、このいずれかを選択することになります」


 へえ、なるほど。改めて言われると盲点だったけど、フォルリオ先生もブリーダーだよね。

 そうなると学園の先生方ってみんなブリーダーなのかな。

 ん?ちょっと待って。そうなると卒業後の進路がばらけた場合、チームって……


「理解の早い方はお気づきでしょう。チームメンバーの進路がバラバラという事を理由に卒業後、チームが解散することもあります。もちろん、解散しないチームもありますが、進路がバラバラだと遅かれ早かれです」


 そうなると新しくチームを組み直す必要があるのかな。

 ブリーダーはチームで行動するのが基本だし。

 チームで行動するってメリットは大きいけど、同じくらいデメリットも大きいな。

 まあ、今から先の進路のことなんて考えても仕方ないよね。

 少なくとも卒業するまであと3年はあるわけだし。


「今日は希望する人も多い育成型ブリーダーについてお話します。育成型ブリーダーの代表格では無敗の女王、シャーロット・グレイブが挙げられます。彼女ほどまでいかなくとも実力のあるブリーダーは多数います」


 なるほど。育成型ブリーダーを希望する人って他の二つに比べると多いのか。

 ちょっとわかる気がする。

 オレも育成型ブリーダーに一番興味があるし。


「育成型ブリーダーは先程、ダンジョンに挑戦するとお話しましたが、シャーロットさんが所属する"ボクさまは最強"のように実力のあるチームは人類不可侵領域、魔境に挑戦することもあります」


 人類不可侵領域、魔境……

 ルナとシエルには教えてもらってないけど、名前的に絶対に≪モンブリ≫のエンドコンテンツとかでしょ。

 でも、どんな場所でどんなモンスターがいるのかちょっと気になるな。


 キーンコーンカーンコーン


「む、時間ですね。それでは本日のブリーダー基礎学は以上とします」


 なんともタイミングの悪いチャイム。


「キュイキュィ……キュイィ」ピクピク


「ん?」


 真面目に授業を聞いてるかと思ってたけど、まさか寝てたとは。

 しかも授業が終わると同時に起きてるし。

 あ、でも、ちょっと寝惚けてるとこが可愛い。

 とか考えながらブランをなでてたらシエルに奪われた。


「はぁ~ブランちゃん~」


「キュイキュイ~」

次回、『学園クエスト』に続く

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