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《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編

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第113話 ルナVSシエル

 今日の放課後は、いつもと違う。

 いつもなら、どこのダンジョンに挑戦するか。

 挑戦中でもし、苦戦しているなら、どうするか対策を考えて話し合う。

 そして、実際にダンジョンに挑戦する流れが多い。


 だけど、今日はダンジョンに向かわない。

 向かう先は演習場。

 ルナが何日も前に申請を出していたらしく、今日は完全な貸切状態。

 こういう細かな部分に気を配って、色々と先んじて行動してくれるルナにはいつも助けられている。

 シエルはシエルで、そうは見えないけど、頭が良い。


「はーい、ブランちゃん、あーんして」


「キューイ!キュイ〜」


 何やらブランを餌付けてしている最中だった。

 こうやってお菓子というか、甘いものの美味しさを知ってしまったんだな。

 シエルが与えてるし、オレは少なめ……いや、無しでもいいか。

 うん、そうしよう。


「……キュイ!?」


「ブランちゃん、どうしたの?急に震えて。あ、寒いのかな?ボクが温めてあげるね」


「キュイ、キュイ〜」


 うん、シエルはいつも通りだな。

 ブランが急に震えたって聞こえたからそこだけ心配だけど、今はシエルに任せておこう。

 震えが収まらないなら、また保健科のカリン先生のお世話になることも視野に入れないとな。

 この時期は風邪とか、いろんな病気に気をつけないといけないし。


「もしかして、ブランの調子悪い?」


「うーん、いつも通りだと思ったけど、寒さに弱そうだし、もしかしたら風邪とかかも」


「それなら、ブランは今日安静にしてた方がいいかもしれないわね」


「うん、そうだね」


 朝起きた時、いつもと同じで布団から出たがらないブランと戦ったりと、ここまではホントにいつも通りだったけど、こういうのって急にくるからな。

 ……やっぱり早めに診てもらった方がいいかな?

 病気ってなんでも早期発見が大事ってイメージあるし、その方が早く治るって聞いたことある。


「シエル、ごめんだけど、ブランを返してもらえるかな?」


「うー……はい」


 最近、シエルがすんなりブランを返してくれる気がする。

 まあ、オレは何も困らないからいいんだけど。


「キュイキュイ……?」


「ルナ、シエル、ごめんだけど、ちょっとブランが調子悪そうだから保健室に連れて行くね」


「うん、心配だし、そうして」


「ブランちゃん、この時期 風邪とか流行るから気をつけてね」


 本当なら、オレとルナがダブルバトルをする予定だったけど、ちょっと今日の予定を変えないといけないかも。

 いや、これで異常無しって言われても念の為に今日は安静にしないとダメだよな。


 その後、保健室でカリン先生に診てもらった所、異常無しで風邪はひいてないと言われた。

 それでも、ブランは元気がなく。カリン先生も心配みたいで、少しでもおかしな素振りを見せたらすぐに連れて来るよう言われた。


 元気のないブランを抱っこして演習場に戻ると、ルナに出迎えられた。


「あ、オルフェウス、どうだった?」


「異常無しって言われた」


「そうなの?でも、元気ないからちょっと心配ね」


「うん。それで、今日この後どうする?今日ブランは、安静にした方がいい気がするんだけど」


「あ、それね。今日は予定変更して私とシエルでダブルバトルをするわ。それと余裕があれば、別日でシングルバトルの方もやれたらいいわねって話になったわ」


「あ、そうなの」


 まあ、ブランの状態的にそうなるよね。

 ただ、肝心要のシエルはどこ行ったのかな?

 姿がさっきから見えないけど。


「あ、シエルは急用で少しだけ席を外してるの」


「急用?」


「そうなの。ちょっと学園の上の人に呼ばれてね。理由はわからないけど」


 学園上層部の誰かがシエルに用?

 あ、あれかな?男子寮に顔パスで入ってることが知られて、問題になってるとか。

 シエルなら、ブランに会う為にあらゆるとこに根回ししてそうだし、それが今になって問題に……

 普通にありそう。


 シエルを待つこと10分ちょっと。

 満面の笑みでウィルに跨って、もふもふしながら演習場に入ってきた。


「あ、ブランちゃん!」


 ブランに向かって一目散に駆けつけるシエルにルナと全く同じ話をした。


「そうなんだ。ブランちゃん、早く元気になってね」


 軽くブランを愛でてスッと戻ってきた。

 そして、ウィルに跨ったままルナの方に向く。


「それじゃあ、時間も押してるし始めよっか」


「そうね」


 オレは邪魔にならないようブランを抱いたまま、演習場の隅にあるベンチに腰を下ろした。



 ◆◇◆◇



「いくよ、オルク、ウィル!」


「頼んだわよ、フィア、ルシウス!」


 シエルはウィルから降りるとすぐにオルクが騎乗した。


「ルシウス、前に出て!」


 それを見たルナはルシウスにフィアの前へ出るよう指示を出した。


「フィア、『ウインドカッター』『ウインドボール』!」


「ウィル、躱して接近!」


「フィア、『ソニックスラスト』で迎え撃って!」


 オルクが騎乗しているにも関わらず、軽やかな動きで『ウインドカッター』と『ウインドボール』を回避するが、それに身を隠して高速の突きを繰り出したフィアに対応が遅れた。


 正面から突きを繰り出すフィアとウィルが衝突した反動で、オルクが振り落とされた。

 そこにフィアの背に隠れて、オルクの死角にルシウスが入る。


「ルシウス、オルクに『ソウルブレイク』!」


「ウィル、オルクの前に!『鋼毛の守勢』!」


 オルクの体勢から回避は不可能と即座に判断したシエルは、防御スキルを使ったウィルを盾にした。

 その方が結果的に被ダメを最小限に抑えられるという判断からだ。


「フィア、『ウインド・セヴァランス』!」


「ウィル、オルクを乗せて回避!」


 すかさず、フィアが『ウインド・セヴァランス』を叩き込むが、体勢を立て直せていないオルクを咥えて、ポイっと背中に乗せ、即座に移動し、回避する。


「オルク、ルシウスに『ルイン・ドライバー』!」


 ウィルの背中で体勢を立て直したオルクは、そのままウィルの背中を足場にジャンプして、ルシウスに斧を振り下ろす。


 ここでシエルは敢えて近くにいたフィアではなく、遠くにいたルシウスを狙った。

 フィアには、まだ『ソニック・クロスブレーカー』と『ソニックスラッシュ』といった高速移動を可能としたスキルがある。

 過去、これらのスキルを攻撃ではなく、回避に使ったこともあるから、多少遠くても先にルシウスを狙った。

次回、『2対1と1対1』に続く

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