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《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編

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第112話 クラス内チーム戦に向けて

『騒樹の密林』を攻略して、1ヶ月が経過し、12月に入った。

 12月に入っても、変わらず他のダンジョン攻略に励んだ。

 基本的に攻略推奨累計Lvが30前半のダンジョンを選んで挑戦していたけど、途中から30後半のダンジョンにも挑戦するようになった。

 その過程でようやくブランたちのLvが15を超えたけど、進化してからLvが上がるペースがかなり落ちてる。

 クラスのみんなに聞いてみた感じ、同じでまだLv20を超えてる人はいなかった。

 一番Lvが高いのが、ミューラさんのニューでLv18だったし、差も3しかない。


 夏休みにダンジョンでLv上げとかが何もできなかったから正直、差が開いたって焦ってたけど、今となっては大きな差は開いてない。

 だから、焦りとかも夏休み明けほどではない。


「ねえ、オルフェウス、ちょっといいかしら?」


「ん?どうかした?」


 放課後、いつものようにダンジョンに挑戦して、時間的に寮へ戻る途中、ルナが声を掛けてきた。

 普段は、疲れてるからか口数が少ないからちょっと驚いた。


「まだ先のことだけど、年明けるとクラス内チーム戦があるでしょ?これで3学期の成績を決まる。つまりは1年生終了時点の成績を決まるわけだし、しっかりと準備をして臨みたいの」


 あ、そっか。

 2学期は大きなイベントがもう何も無いって言われてちょっと気が抜けてたかも。

 よくよく考えるとルナのいう通りだよな。

 ブランたちのLv上げを頑張らないと!って考えで頭が一杯になってたから、そこまで考えが至ってなかった。


「でも、準備って何をどうするの?」


「個人戦じゃなくて、チーム戦でしょ?だから、ダブルバトルに誰が出るのかを決めておきたいの。以前、ミューラたちと模擬戦した時はルシウスとウィルのLvが低くて、取得してるスキルも少なかったから消去法で決まったけど、今は違うでしょ?」


 うん、あの頃はブランとネメシスの連携に不安しか無い中、消去法でオレが出ることになったからな。

 今、こうして誰が出るか悩める。

 選択肢があるって、あの頃よりも確実に成長しているってことだよな。

 Lv以外の面で成長をこうして実感するのって、なんかレアだな。


「それに私たちのチームって他よりも圧倒的に不利なの」


「……え?どういうこと?」


 不利?他のチームより?

 ブランとネメシスの手の内は確かにクラス内トーナメントとクラス対抗チーム戦で割れてるけど、それはミューラさんのニュー、ヒューやカレンさんのピリカも同じ。

 いや、それこそ他のクラスメイトだって1体はモンスターの情報が筒抜け。

 それを考えたら、不利ではあるけど、圧倒的って程じゃないと思うけど。


「このクラス内チーム戦は全部2対2の戦いなの」


 ダブルバトルは2体いないとできないからな。

 ……ん?全部ってことはシングルバトルも?


「え、ルナ、シングルバトルも2対2なの?フォルリオ先生そんな話してたっけ?」


「え?……ほら、あれよ。毎年行ってることだから。経験者に聞いたのよ」


「あ、そういうこと。でも、それだとブラン、ネメシスと絶対に万全の対策を講じられてるよね?」


「そう。それに加えて、ミューラ以外2体目のモンスターの情報が無いわ」


 確かに。

 ミューラさんはニューとヒューで2体とも情報があるけど、他のクラスメイトに関しては何もないな。

 ブランやネメシスをガンメタしたようなモンスターが仲間にいる可能性だってあるし。


「ミューラだって、2体目はヒューでしょ?ダブルバトルに出てくるならともかく、シングルバトルに出るなら別に3体目のモンスターを仲間にしてるでしょうし、私たちは情報面でかなり不利なの」


 あ、そっか。

 モンスターは一人2体までなんて決まり無いからね。

 仲間にしようと思えば、3体、4体と加えることもできるか。

 ただ、そうやって増やすと育成が大変になる。

 モンスター同士の連携6体が理想。

 それ以上増えると、連携が取りづらくなって逆に戦いにくくなる。

 実際に学園祭の『幻影迷廊』でも、ルナ、シエル、ミューラさん、ツバキさん、ザイルくんにオレ、六人のモンスターが前衛で張り付いて戦ってる間、空中からの援護射撃しかなかった。

 要するに地上からだと、攻撃を通す射線が無いし、無理に通そうとすると連携の邪魔になりかねないってことだ。


 仮にミューラさんが3体目を仲間にしていた場合、育成が間に合ってるかどうかだけど、味方の支援に特化したヒューがいる。

 ヒューが後方で支援に徹することができるから、1体だけなら数が増えても大きな問題は無さそうかな。

 うん、そう考えるとオレのチームというか、オレが不利すぎる気がする。

 ……これどうしたらいいの?


「情報戦で勝てないなら、他で勝つだけよ」


「他?」


「そう。チーム戦の2試合目は必ずダブルバトル。だから、このダブルバトルの練度を磨いて、確実にここで1勝取れるようにする」


 ダブルバトルの練度を磨いて、確実に勝てるように、か。

 ここで確実に1勝取れたら、大きいな。

 そしたら、残るシングルバトル2試合の内どちらかで勝てればいい。

 でも、そう思えるくらいに練度を高めないといけないけど、Lv上げも疎かにできない。

 根本的にここでこれ以上の差をつけられると厳しくなる。


「だから、明日ダブルバトルを実際にしてみない?私たち三人で」


「三人……?」


 三人ってことはシエルもだよね?

 前、クラス内個人トーナメントでブランと戦えなかったけど、大丈夫なのかな?

 今もオレとルナの話を聞かずにブランと夕飯何食べるか話してるけど。


 とりあえず、今日はこのまま解散となった。

 ブランはダブルバトルに関する話を部屋でする為にシエルに返してもらった。

 もちろん、夕飯はシエルを交えて食べた。

 じゃないと、ブランを返してくれそうになかったから。


 そうして、名残惜しそうにしているシエルと分かれて、ブランを抱っこして部屋に戻った。


「キュイキュイ……〜」


 眠たげな顔でベットに前肢を向ける。

 早く連れてって寝かせてって感じかな?


 オレはブランを抱っこしたままベットに座って、ネメシスを通訳として召喚する。


「キュイ?」


「ブラン、明日ルナたちとダブルバトルの練習するけど、ネメシスと一緒に戦える?」


「キュイ!キュイキュイ!」


「……ブランは大人だから大丈夫と言っています」


 うん、予想通りの返事だった。


「キュイキュイ」


「早く寝たいと」


 これのどこか大人なんだか。

 今日も授業中、ずっと寝てたでしょ。

 大人は1日の半分以上を寝て過ごしたりはしないからね。

次回、『ルナVSシエル』に続く

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