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《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編

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第110話 擬態と奇襲

 暴蔓樹グローダインを倒して、今日は時間的に撤退した。

 翌日、授業が終わってから再び『騒樹の密林』に挑戦する。

 昨日と違って、ダンジョンに入ってすぐに奇襲されることもなく、暴蔓樹グローダインが来ることもなく、奥に足を進めた。


 少し進むと先頭で歩みを進めていたネメシスが急に立ち止まった。


「主様、何か近くにいます」


 特に何かいるって感じはしない。

 それでも、ネメシスがそう言うってことは、見えない場所にいるか擬態していて見えてないだけか。

 このダンジョンだと擬態してるって可能性が高そう。

 こういう時、広範囲を攻撃できるスキルがあれば、それっぽい場所を攻撃して炙り出すとかもできるだろうけど、ブランたちにはできない。


「どうする?こっちから何もしなければ、襲ってこないモンスターの可能性もあるし、無視して進むのもありだけど」


「無視してもいいけど、背後から奇襲されるのが一番面倒だよ」


 ルナの言う通り、無視するのもありだけど、後から奇襲が厄介を通り越して面倒。

 常に後ろから奇襲されるかどうかを警戒しつつ、進まないといけない。

 本来はそうやって進むダンジョンだろうけど、ここまでネメシス頼みで楽して進んできたからな。

 今からやり方を変えるのもな。

 オレの腕の中で踏ん反り返って、くつろいでいる。

 いや、スヤスヤと寝ている子もいるしな。


 状況が状況だし、さすがに起こすか。


「キュ、キュイ……」


 口をむにゃむにゃさせて、瞼を開くけど、かなり重そう。

 しばらくして、完全に目を覚まし、周りをキョロキョロと見渡す。


「キュイキュイ?」


 なんで起こしたの?っと言いたげな雰囲気がブランから伝わってきた。


「モンスターがどこかに潜んでるみたいだから、いつでも戦えるように準備して」


「キュイ!」


 すっとオレの腕から抜け出し、地面に着地する。

 そのままトテトテとネメシスたちがいる方に歩いて行き、合流する。


「キュイ?キュイキュイ、キュイ、キュイキュイ」


「え?あちらですか?」


「キュイ」


 ネメシスたちと合流するなり、前肢で右側にある樹の方を指している。

 自然とみんなブランが指している方に視線を向けた。


 正直、オレ、ルナ、シエルとどれだけ見ても普通に樹があるにしか見えなかったけど、ネメシスたちは違った。

 ネメシスとフィアが突如として、『飛閃』と『ウインドボール』を樹に向けて放った。

 それが樹を抉ったかのように見えた。

 しかし、実際には、樹の幹に擬態していたモンスターが攻撃を回避しただけだった。


 全長数メートルはあると思われる樹の模様をした蛇型モンスターが襲いかかってくる。


「ネメシス、『返刃ノ構』!それから『斬哭冥華』と『葬翼」!ブラン、『ソニックホーンブレイカー』!」


「ウィル、『鋼毛の守勢』!オルク、『スタンアックス』『スマッシュブレイク』!」


「フィア、『ウインド・セヴァランス』!ルシウス、『クラッシュ・エッジ』!」


 ネメシスの背後へ回り込んでのカウンターから連続攻撃でデバフと状態異常をまとめて付与する。

 動きが急激に鈍り、それに戸惑っているところをウィルが正面から防御スキルを使って受け止める。

 そうして、動きが止まったところで一斉攻撃を叩き込む。


 攻撃が炸裂し、擬態していた蛇型モンスターの体が大きくのけ反る。


「キュイ――!!」


 最後に、ブランの『ソニックホーンブレイカー』が突き刺さり、モンスターの身体が大きく吹き飛ぶ、樹に衝突すると共にHPバーがスッと消える。


「ふぅ……今回もなんとかなったわね」


「うん。でも、手間取ったよ。やっぱり擬態してるモンスターって厄介だね」


 今回はブランがたまたま気づいたから、先制できたけど、これに死角から奇襲されたら……

 正直、誰かしら倒されてもおかしくない。


「キュイッ!」


「おつかれさま」


 仕事は終えた。

 そう言いたげで、満足そうな顔でオレの元までブランが戻って来た。


「キュイキュイ」


「ダメ」


「キュイ!?」


 通訳が無くても何を言いに戻って来たかは容易に想像できる。

 どうせ、抱っことかだ。

 ダメと言った瞬間、この世の終わりを迎えたような絶望を顔に浮かべた。

 それも束の間、すぐに切り替えてネメシスたちのとこに戻るのかと思いきや、真っ直ぐにシエルの元へ向かった。


 シュッ!サッ!


「ブランちゃん、ボクが抱っこしてあげるね〜」


「キュイキュイ〜」


 オレがダメならシエル。

 ブランの中でダメダメになる方程式が出来上がっている気がしたけど、もう諦めた。

 ていうか、丸くならなければ、それでいいと思い始めた。


 ブランはシエルの腕の中で快適に、ネメシスを先頭に奇襲を警戒しながら先に進んだ。

 何度か気づくのが遅れて奇襲されたけど、毎回なんとかできた。


 そうして、時間こそ掛かったけど、ダンジョンボスがいるボス部屋に辿り着いた。

 このダンジョンは、情報こそ少ないけど、複数の階層があるダンジョンじゃない。

 だから、エリアボスとかは一応いない。

 いきなり、よくわからんのに襲われたけど。


 ただ、このダンジョンを攻略した人は過去に何チームかいる、

 そのおかげで、ダンジョンボスの情報だけは揃ってる。


 ここのダンジョンボスは、双角獣ボロクス。

 額から左右に生えたねじれた二本の角が特徴のイノシシに似た獣型モンスター。

 背中には蔦と苔が生え、体毛は濃いモスグリーンで、動くたびに植物の種子を撒き散らす。

 ただ、撒き散らされた植物の種子に意味は無いらしい。


 とにかく猪突猛進って戦い方をするらしいけど、基本的に遠距離攻撃持ちや支援型のモンスターを最優先で狙う。

 今回、それを逆手に取った作戦で戦う。

次回、『双角獣ボルクス』に続く

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