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《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編

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第105話 住んでる世界が違う

 ルナ、シエル、ミューラさん、ツバキさん、ザイルくんに他の1年生も積極的に前に出て、戦っている。

 他にも2、3年生の先輩たちが空中から援護してくれてる。

 それでも、イグゼリオ本体のHPは全然削れていない。


「ブラン、『ホーンラッシュバースト』!」


「フィア、『ウインドカッター』『ウインドボール』!」


「オルク、『ルイン・ドライバー』『一之穿』!」


「ニュー、『業火奔流』」


「シンファング、『ファントムシフト』『クレセントクロー』『漆黒跳斬シャドウラプチャー』!」


「ヴァルザ、『アビスブリンガー』!」


 立て続けに攻め立てるけど、無数の触手を掻い潜り、攻撃を当てるのは至難の業。

 ブランとオルクが触手を弾き、射線を切り開く。

 そこをフィアが『ウインドカッター』と『ウインドボール』を叩き込もうとするも、ブランとオルクが弾ききれなかった触手によって、防がれる。

 だけど、何一つ問題はない。

 ニューの『業火奔流』が味方を巻き込む形で炸裂するが、ダメージはイグゼリオ本体にしか通らない。

 ブランたちはノーダメージの上に炎でイグゼリオ本体の視界を潰すことにも成功した。

 そこを姿を消したシンファングと背後へ瞬時に回り込んだヴァルザが切り込む。


「くっ、このままだとジリ貧だな」


「うん、これ長く持たない」


 ザイルくんとツバキさんが切羽詰まった言葉を口にする。

 正直、オレも同じことを思ってた。

 今、連続でスキルを使い続けることでなんとかこの状況を作り出せている。

 でも、直ぐにスキルが軒並みクールタイム入る。

 そうなると、全滅するのも時間の問題。

 どこかで他のモンスターとチェンジできたらいいけど、イグゼリオ本体が繰り出す無数の触手でそれができない。


「いくよ、セラフィス」


 アルカナさんの声がボス部屋全体に響くと大型の白銀の鳥型モンスターが虹色に透ける翼を広げ、飛び上がる。

 遠目でもどこか、神聖さを彷彿させる。


輝煌結界レイディアント・シェルター!」


 空を飛んでいるセラフィスの上に黄金の光球が出現し、光が徐々に強くなっていく。

 あまりの眩しさに目が開けられなくなりかけた途端、光球が光り輝く雨となり、降り注ぐ。

 それも、地上で戦っているブランたちをピンポイントで狙い澄ましたかのように。


「ブランちゃんが光ってる」


 シエルがボソッと呟いた。


 光の雨に触れたモンスターが例外なく、光り輝いている。

 そして、先ほどまでよりも動きが速くなっている。

 ブランとオルクも少しだけ余裕を持って触手を回避できるようになった。


天空律動スカイシンフォニア!」


 上空でセラフィスが全体を包み込むような調和した旋律を奏でる。

 それにより、ボス部屋に虹がかかり、更にブランたちの動きが速く、鋭くなる。


 いつもより活き活きしているブランは調子に乗って、スキルを連発する。

 いや、ブランだけじゃなく、フィアやオルクと他のモンスターもだ。


 それから一度だけ他のモンスターとポジションチェンジする形で後方に下がった。

 その間にクールタイムが明けるのを待ち、頃合いを見計らって、再び交代しようとした。

 その瞬間、アルカナさんがボス部屋に響くように声を上げる。


「頃合いだね。1年生は下がって!」


 突然のことだったけど、ブランを除いて誰もがその指示に従った。

 何故か、言う通りにしなきゃと思わされた。


「キュイキュイー!!」


 唯一アルカナさんの指示を無視しようとしたブランは、フィアとニューが2体がかりで取り押さえて、こっちに強制連行されている。

 盛大に暴れ回っており、今にも抜け出しそうだったけど、フィロネアが宙に浮かびながらブランの元まで行き、前肢で頭をペチと叩く。

 すると、途端に大人しくなって、スポッとシエルの腕の中に収まった。


「ブランちゃん、よく頑張ったね〜」


「キュイキュイ〜」


 満足気に頬を緩めてるブラン。

 さっきまで盛大に暴れていた子とは思えない。


 ただ、今はブランのことよりも一つ気になることがある。


「カナリア先輩、今フィロネアは何したんですか?急にブランが大人しくなったけど」


「ん?ああ、それね。鎮静効果のあるスキルを使ったんだと思うよ」


 鎮静効果……

 随分と効果覿面というか、効きが早い。

 普段からブランを抑えるのにそれが使えたら……



 ここから先頭は加速した。

 オレたちは本当に経験を積む為に戦わせてもらっていたと痛感した。

 たった1体のモンスターがイグゼリオ本体を相手取っていた。

 完全に空中からの援護射撃も止まっている。

 その上でどこか余裕を感じさせる立ち回りだった。


 無数の触手を双剣で弾いたり、受け流したりしている。

 それだけじゃなくて、常に動き回ることで狙いを絞りづらくしている。

 その影響で全ての触手ではなく、自分にだけ向かってくるのを捌いてる。

 いや、自分の手数で捌ける数が向かってくるように動き回ってる気がする。

 さっきから一度に向かっていく数が五本もない。


「すごい。でも……これより上」


「ボクたちが辿り着かなきゃいけない場所」


 少し離れた場所でルナとシエルがボソッと何かを呟いた。

 でも、少し距離があったから何も聞こえなかった。

 たぶん、すごいとかそういうこと言ってたと思う。


 その後、アルカナさんをはじめとした一部の人とモンスターであっさりとイグゼリオを倒した。

 途中から、実体を持つ分身体が参戦したけど、そこは空中でアルカナさんのセラフィスが押さえていた。

 しかも、何一つ攻撃スキルを使わずに。

 あれには、正直 驚きを隠せなかった。


「勉強になるよね。攻撃や防御だけが戦いじゃない。ああやって、ただ引きつけるだけで支援型モンスターでも大きく貢献できる。ここでしか学べないことって沢山あるの」


 本当にカナリア先輩の言う通りだな。

 オレの知らない未知の世界が目の前に広がっていた。

 これがブリーダーと呼ばれる人たちの実力。

 住んでる世界が違う。

 そう思えて仕方ない。

次回、『結果が全て』に続く

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