表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《モンブリ》~進化のたびに広がる、オレとモンスターの世界~  作者: 夕幕
第1章 アルカディア王立学園 1年生編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/120

第99話 ツインレッドオーガ

 スキル鑑定を終えて、ウィルにスキルを取得させた翌日、オレたちは『紅鬼の岩屋』の第二層にやって来た。


 真っ赤な岩石地帯で、所々から湯気のような煙が立ち昇っていた第一層とは全く違う光景が目に入る。

 ここを一言で表現するなら、赤黒い溶岩の川が流れる洞窟だと思う。

 ぱっと見、灼熱の空間かと思いきや、ダンジョン内は謎に快適なので、全く暑くない。

 でも、こんな暑そうな場所でも、暑さを感じないのは違和感しかない。


「キュイキュイ」


 そして、好奇心の塊とも言えるブランが、気づいたら溶岩の川の方に向かって歩き出していた。

 そこで、溶岩の川に触れようと前肢をチョコっと出していた。

 オレは慌てて、ブランを抱っこして、触れるのを阻止した。


「ブラン、これには触っちゃダメ。ここに触れたら一気に継続ダメージを受けるから。あと、落ちたら一気にHPが0になるから気をつけてね」


「キュイ?」


 なかなか溶岩の川に触れたらダメの意味を理解してくれなかった。

 だから仕方なく、最終手段を用いることに。


「これに触れる子には、もう二度と甘いものを食べさせないよ」


「キュイ!?……」


 耳がピン!と張った直後、さっきまでと打って変わり、大人しくなった。

 これからもブランを言い聞かせるのに、これ使えるかもな。


 シュッ!サッ!


「ブランちゃんはボクが責任を持って預かるね」


「あ、うん。お願い」


 もう、いつものことだから口に出して突っ込んだりはしないけど、普通ブランを持っていく前に言うべきことじゃない?

 なんで事後報告になるのかな?


 ルナも呆れ返ってるけど、いつものことだし、ここでブランが溶岩の川に落ちたりしても困るから、何も言わないでいる。

 もう、雰囲気だけでそれが伝わってくるよ。


「念の為に第二層に出現するモンスターについておさらいしましょ」


「うん」


 「第二層に出現するモンスターは、ツインレッドオーガだけ。かなり特徴的な外見をしていて、首が二つあるレッドオーガってところね」


 事前に得た情報によると、首が二つあるため死角が少なく、どこから攻撃しても対処される。

 攻略には、多方面からの攻撃が鍵になるとあった。


 一本道を真っ直ぐに進むと道を塞ぐように身の丈ほどの斧を持ったツインレッドオーガがいた。

 まるで、この先に進みたければ、自分を倒せと言わんばかりに。


「ここで戦うの?ちょっと狭いわね」


 ルナがボソッと声を漏らす。

 正直、オレも同じことを思った。

 右側には溶岩の川が流れているし、通路そのものも狭い。

 だから、ツインレッドオーガ相手に最も効果的な攻撃手段とされている多方面からの攻撃ができない。

 いきなり、想定していた戦い方ができなくなった。


「オルフェウス、ブランちゃんの素早さとネメシスなら後ろを取れるかな?」


「え、ちょっと待って。……うん、いけると思う」


「グォオオオオオーー!!」


「じゃあ、頼んだよ」


「キュイ!」


 シエルの腕から元気一杯に飛び出したブラン。

 その後にウィルとそこに騎乗したオルク、ネメシス、ルシウスが続く。

 フィアは単独で後方に残って、遠距離からツインレッドオーガへ圧をかける。


「フィア、左の顔に『ウインド・セヴァランス』!」


 ツインレッドオーガの左の顔に炸裂し、一時的に左側に死角ができた。


「ブラン、今 左側から一気に背後を取って!ネメシスは、右から!」


 左側の顔を牽制できても、右は健在のまま。

 だから、ネメシスがわかりやすく右側で動くことで自然と注意を引ける。

 ウィル、オルク、ルシウスは左側にいるけど、ブランとは違って、背後を取らない。

 全員が背後を取ると、振り返られるとかで簡単に対処される。

 それじゃあ、苦労して背後を取った意味がなくなる。

 だから、正面で踏ん張る組と背後から攻撃する組に分かれる必要がある。


 灼熱の炎を纏った斧を豪快に振り下ろす。


「ネメシス、『返刃ノ構え』!」


 直後、ネメシスの姿は霞のように消えて、ツインレッドオーガの背後に現れ、斬り裂く。

 ブランもネメシスの引き付けが上手くいき、背後を取った。


「ウィル、『鉄穿撃てっせんげき』!オルクは『ルイン・ドライバー』!」


「ルシウス、『クラッシュ・エッジ』!」


 ここで正面に釘付けにするためにウィルたちが攻撃する。

 まず最初にウィルの新スキル、『鉄穿撃』が炸裂。

 引いた拳が鉄そのもののような鈍い光を帯び、ガンッ!!金属同士がぶつかり合うような衝撃音が響いた。

 直後、ツインレッドオーガの身体が、一瞬沈み、地に膝をつく。


「ブラン、『ホーンラッシュバースト』!ネメシス、『斬哭冥華』『葬翼』!」


 背後から畳み掛けるようにブランとネメシスが攻撃することで、ツインレッドオーガは前のめりに倒れ込む。

 この時、一瞬だけど、ツインレッドオーガの視界からルシウスが外れた。


「ルシウス、『ソウルブレイク』!」


 上にジャンプし、メイスを振り下ろすことで、不可視の打撃を飛ばす。

 起きあがろうとするツインレッドオーガが衝撃で再び、倒れる。

 そこを出し惜しみ無しの一斉攻撃で攻め立てる。


「フィア、『ウインドカッター』『ウインドボール』『ソニック・クロスブレーカー』!ルシウス、『ソードクラッシュ』『ハンマークラッシュ』!」


「オルク、『一之穿いちのうがち』『スタンアックス』『スマッシュブレイク』!ウィル、『クロー・ブリッツ』『牙穿きばうが』『裂爪乱舞』!」


「ブラン、『ジェット・ブレイクスルー』『ソニックホーンブレイカー』!ネメシス、『ダークスラッシュ』!」


 怒涛の連撃が、ツインレッドオーガの巨体に容赦なく叩き込まれた。

 二つの首が同時に力なく垂れ、地面に崩れ落ちた。


「……終わった」

次回、『紅炎鬼帝グラドザル』に続く

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ