78.ニコレッタ、人生の幸せを満喫する。
あれから二年が経った。
私も22才となり可愛い我が子は2才なのだが、やんちゃでヤバイ。
森の中のアスレチックを軽々回れるぐらいヤバイ。
今も森の中の広間で、ビシバシ、ヤーター、と2人で組手を楽しんでいるようだ。
そんな我が子の成長を見守る私は、ちっとも外見が変わっていない。
その事について文句を言おうと思っているが、あれ以来神様は出てきていない。
本当に、以前のあれで私の役目はおしまいということで、後は自由に生きてということなのだと思うのだが、こんな体にしといてそれは無いだろうと思っている。
あれから、ティナは侍女として我が子のお世話を楽しそうにやっている。
レナートはカーリーと一緒に執事の見習いとして頑張っている。
ララはフェルの事を諦め、キルデベルト、あの従者の体格の良い方と結婚し村へと帰って行った。
代わりにと魔王ユミがほぼこっちに居候状態だ。
魔界は別の者に任せて引退したとは言っているが、たまにその現魔王であるサキュバスの女性がこちらに相談に来たりしている。
そしてクラリスだが、なんと新しく公爵となった御貴族様の嫡男にその食べっぷりを評価され、この拠点にも押しかけるほどグイグイこられた結局落ちた。
始めは「ニコ様に一生尽くすと決めたのだ!」と言っていたが、私が「正直クラリスのやることはあまりないんだけどね」と正直な気持ちを言ってしまい、大泣きしたクラリスをずっと優しく慰めていたのが決め手となった。
そんな私に対して、ちょっと酷いかな?とティナとレナートが言っていたが、そうでも言わないと私の元を離れず自分を犠牲にしてしまうクラリスを思っての一言だ。大人の優しさというものだよ?
決して、本音がポロリと出たわけでは無いんだよ?
そして私は、有り余ってしまった財力と適度な暇を持て余し、商業ギルドを通して孤児院を支援、さらに学校や職業訓練場のようなものを併設する形で作ってもらった。
流石に経営方法など細部までは携われなかったが、金とふわっとしたアイデアは存分に出してみた。これで貧しくても知恵と技術を獲ることができるようになるだろう。
いずれはそこで修行をした者達が、冒険者や商人、料理人など、好きなことができる世界になるだろうと期待はしている。
少なくとも王国ではそうなってほしいなと願っている。
また、年に2回程度はファビオラのところへ遊びに行っている。
ファビオラは現在妊娠中。
前回会いに行った際には、出産するまで居座ろうと思ったのだが、一時的に代わりの神官が来ていて仕事を変わってくれているし、いざとなったら手助けしてくれるので安心してねと追い出された。
そんな私を見てファビオラが笑顔を見せてくれるのが何より嬉しかった。
早く元気な子を産んでほしい。
そう思って聖魔石のペンダントを大量に取り出すと、以前渡した時にその価値を調べていた旦那さんがドン引きしていた。いいんだよどうせ私が作ってるやつなんだからさ。
そんな私も、もちろんフェルと仲良く愛を確かめ合っている。
遂にはまたお腹に新しい命が宿ってガッツポーズをしていた。
今度は双子ではないので大丈夫だろうとカーリーのお墨付きもある。私はさらに魔力も増えたし多分大丈夫だと自負している。
私はまた元気な子を産み、そして楽しい人生を歩んでやるんだ!
前世では短く辛い人生だったけど、今世ではきっと長生きできるだろう。
少しでも長い人生を、愛するフェルと、愛おし我が子と、そして素敵な仲間達と共に生きて行こうと思っている。
◆◇◆◇◆
真っ白な空間に胡坐をかいて座っている影が独り唸っていた。
「ニコちゃん、元気になったようでホントに良かった」
そう独り言を言っているのはこの世界の神である。
「さすがに双子ができちゃった時には、可哀想だし手助けしようと思ったけど……自力で乗り越えちゃったからね。思わず黒竜と主従を結ぶときに僕も一緒に神力流し込んじゃったし……」
そんな出来事があったおかげで、生まれた双子ちゃんは魂の格が数段階上がってしまった。
きっと最強の双子ちゃんとなるだろう。
もちろんニコレッタにも神格がバッチリ付与されているので、恐らく数千年は生きてしまうだろう。
「まあ、いずれニコちゃんにもバレるだろうけど、その頃には僕の事を呼べるくらいにはなってるんじゃないかな?」
今からそれも楽しみにしている神様。
そんな神様は思い出した。
「そう言えば、ニコちゃんがその生を終える数千年後に、黒龍と死者の王も一緒に魂が消滅するんだよな……神獣の生成、どうやるんだっけ?」
遥か昔に行った作業がいまいち思い出せない。
「まっ、それは新たな神ニコレッタの初仕事としてやってもらえば良いか」
そう思いながらまた下界を眺める神であった。
◆◇◆◇◆
この世界は続いてゆく。
ニコレッタが神と再会しその姿形が変わらぬことに激怒するまで1000年。
ニコレッタ程ではないが成長の遅い双子ちゃんと、さらに生まれたもう一人の男の子、カイもすでにその生を終えている。
ニコレッタはもう子は作る気は無いようだ。
やはり子が先に老いて死ぬことに心が痛み、一時期は塞ぎこんだニコレッタであったが、カイが生涯を全うした際には、「貴女が母で私は幸せでした」と、そう言われて幾分心が軽くなったようだ。
そして、1000年生きたニコレッタは、神を呼び出すことに成功し盛大に説教をし、そしてお礼を言うのだ。
この世界に送ってくれてありがとうと……
そんなニコレッタは、住み慣れた拠点を離れ、3人の神獣と一緒にこの世界を自由気ままに旅するようになり、様々な体験をするのだが……
それはまた、別のお話……
捨てられ聖女と森の主・妹のためにと捨てられたんですけど?
~ おしまい ~
これでニコレッタと神獣達の物語は終了となります。
力が足りずうまく表現できないことばかりでしたが、書きたいことは大体かけたので満足しております。
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次の連載を2024/10/05の16時より投稿致します。
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