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[完結]捨てられ聖女と森の主・妹のためにと捨てられたんですけど?  作者: 安ころもっち


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70.ニコレッタ、エレナの報告に歓喜する。

翌朝、目を覚ますと目の前にはこちらをジッと見るファビオラの顔があった。


「おはようございます。お姉様」

笑顔でそう言われ、幸せな気分で二度寝しようと試みた。


「お姉様、名残惜しいですが、私はもうお仕事のお時間が迫っておりまして」

そう言われ、自分を恥じつつ一緒に体を起こす。


そしてギュと抱きしめてきたファビオラの背中を撫でた後、ゆっくり離れていくファビオラの温もりに少しだけ寂しさを覚えた。


いそいそと着替えを始めたファビオラ。

私もベッドから降り、そばに置いておいたバッグから聖魔石のペンダントを渡す。


ペンダントの効果の説明の後、「魔石の色が2つ薄れたら私に連絡してね」と伝える私。小首をかしげるファビオラから「これに魔力を籠めれば良いだけなのでしょ?」と返ってきた。


「それでも、連絡がほしいな」

そう伝えると、私の意図を理解してくれたファビオラが目に涙を浮かべながら「その時はお願いします」と言ってくれた。


ブルーノと2人で拠点まで引っ越してくれないかな?と思った。

多分だけどこのペンダントが使われることはそうそうないだろう。だが、もしもの時にはこれが命綱になることもあるだろう。そんな時、もしもこれを使ってしまったのなら、私に迷わず連絡してほしいな。

そんな願いを込めての事だった。


その後、男性向けにデザインしたペンダントも手渡し、外に待機していたフェル達3人とブルーノも交えて朝食を頂く。


食後には、手を繋ぎ仲睦まじい二人に見送られ私達は拠点へと帰った。

胸にはぽっかりと穴が開いたような寂しさがあった。




そんな私が拠点に着いて目にしたのは、仁王立ちする魔王とボロボロになって倒れる勇者、そしてララが不貞腐れて座っている光景だった。何となく状況を察した私は、このままどこかへ旅に出ようかな?と思った。


仕方なしに事情を聞くと、やはり魔王と名乗ったユミにこの男が切りかかってきたそうだ。


当然の様にユミさんが返り討ちにしたところに私達が返ってきたと。

目を覚ましたマサルは慌てて鑑定を使ったようで、またも読み取れないことでフェルと同様に圧倒的強者だと理解した。


土下座でひれ伏した後、高圧的なユミに辛辣に罵られたマサルは、少しだけ笑みがこぼれていた。

それを見て、ケモナーだけじゃなく、ロリかドMのどちらか、もしくはその両方の癖持ちなのでは?と感じたが、正直どちらもで良かった。どちらにしてもかかわりたくない変態だということには変わりない。


マサルは、魔王と聞いて鑑定もせずに嬉々として切りかかったそうだ。どんなに魔王が強くとも、勇者である限り魔王特攻で倒せるはず!というお花畑理論により躊躇は無かったと言う。

相変わらずバカなのも変わっていないようだ。


ララはと言うと、戻ってきたフェルに飛びつきいつもの様に叩かれ地面にダイブしていた。

ちょっと拠点を離れた隙に、いなくなっていたことに怒り心頭らしい。勝手に居座っているのはララなのだから、一々予定を伝える義理は無いのだが……


ユミさんは王都で新作チョコレッタを買ってきたので、一緒にお茶をというのが目的だったようだ。早々にマサルを追い返し濃い目のコーヒーと一緒に頂いた。

新作はパウンドケーキのような生地に苦めのチョコと、甘いミルクチョコがかかった逸品だった。


もちろんララやディーゴ、クラリスも参加して楽しい女子会へと突入した。

話していることは魔物や武具の情報だったりするのだが、それでも楽しい時間を過ごすことができ、ファビオラと別れちょっとセンチになった気分が紛れたので助かった。




それから数日後、いつもの様にエレナとの昼食会。


冒険者ギルドへ訪れると、なぜか様子のおかしいエレナに出迎えられる。そのまま談話室へと案内されたのだが、エレナはかなり緊張しているようだ。


談話室の中に入ると、中にはエレオノーレと、こちらも緊張した様子のカルロが座っていた。カルロはハンカチを片手に汗を拭きながらこちらを見ようともしなかった。


また面倒事かな?

そう思った私に、エレナからまずは座ってと促される。


「ニコちゃん、紹介するね。えっと、こちらカルロ・オルランディさん。そしてお姉さんのエレオノーレ・オルランディさん……」

「エレナさん、もちろんそれは知ってるけど?え?何が始まるの?」

混乱する私。そしてエレナとカルロの顔がどんどん赤くなってゆく。


「この度、私、エレナは、その、いや待って?えっとね?」

「エレナ、俺が話そうか?」

「いや、カルロさん待って。ちゃんと、説明するから……」

「あ、ああ」

そんなやり取りを見ていれば、おのずと答えも分かるだろう。


「エレナさん、カルロさん。おめでとう」

私は、叔母が私の中学を卒業した時のように生暖かい視線を向け、拍手を送っていた。


いつの間にかそんなことになっていたとは全く気付いてなかったけどね。


その後、盛大に取り乱した様子の2人をよそに、エレオノーレが深いため息をつきながら2人の結婚が決まったことを、しっかりと言葉で伝えてくれた。

馴れ初めを聞いてみると、恥ずかしそうに公爵の事件の際に最初に助けに来たカルロにときめいたのだとか……それを考えれば私が惚れられても良くない?と思ったが、私とエレナは元々ラブラブだ。

仕方ないかとカルロにエレナを譲ることを告げた。


だが笑顔で2人を茶化していた私は、エレナの反撃を喰らうことになる。


「ニコちゃんはフェル様とどうなの?最近2人が、所構わずイチャついてるってディーゴ様に聞いたけど!」

「うぇ!違っ!待って?なんでディーゴもそんなことばらしちゃうの!」

「えっ?まずかったか?」

「もう!」

そんな混乱を沈めたのは、エレオノーレの一言だった。


「どうせなら4人纏めて結婚式でもやんなさい!」

その言葉に3人は固まった。


フェルは何言ってんだ?とあまり興味がなさそうだったが、エレナ、カルロは「それは良い!」と乗り気だ。私は「えっ?えっ?」と反論の言葉が中々出てこなかった。


「フェル!フェルからも何か言ってよ!このままじゃ私達、結婚式で周りの好奇な目に晒されて赤っ恥だよ?」

「ん?私達の仲を認めてもらうのだろう?良いではないか?」

「いや、それは嬉しいんだけど、だって、恥ずかしいし……」

モジモジし始めた私。


「私がニコ様のプロディースを頑張りますから!一緒に乗り越えましょう!」

そう言うクラリスに私は少し冷静になることができた。


「クラリス、そう言うのはいらない」

「えっ!なんでですか!」

「そう言うのはね、ちゃんと専門家に任せた方が良いんだよ?」

「そんなぁ……」


こうして、もうどうにでもして!とある意味諦めた私は、エレオノーレに全てを丸投げして、結婚式を挙げることになってしまった。

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