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[完結]捨てられ聖女と森の主・妹のためにと捨てられたんですけど?  作者: 安ころもっち


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68.ニコレッタ、フェルとラブラブな時を過ごす。

フェルとの初めてのチューで気を失った私が目を覚ますと、部屋にはディーゴが隣に添い寝していた。


私は腹を出し寝息を立てているディーゴの大きなぷるるんを、なんとなく思うところがあってバシンと叩く。


「ふひゃ!」

叫び声をあげ起きたディーゴ。


「ごめん」と謝りつつ現状を聞く。


どうやらなんだかんだとあったものの、ラウラ達は暫く拠点に滞在することになったらしい。えっ!そんな勝手な!この森の主は……そう言えばフェルだったね。フェルが決めたらな良いのかな?

ちょっとモヤっとするが後でその経緯はしっかりと聞いておきたい。


多分だがディーゴに聞くよりカーリーに聞いた方が良く分かるだろう。


「私が詳しくお聞かせしましょう!」

そう言っているクラリスには、「いや、大丈夫」と伝えておいた。多分だが擬音がいっぱいのふわっと説明になると思われ。


それと、さっきのフェルの行動は"良い雰囲気に成ったらゆっくり唇を重ね、愛情表現をしろ"と言ったディーゴの仕業だと判明。

「もう!もう!」と言いながら真っ赤になりパシパシとディーゴの肩を叩いた後、蚊の鳴くような声で「ありがとう」と伝えると、またあのぽよよんに顔を挟まれ、危うくさっきのお礼が今世の最後の言葉となるところだった。


そして外へ出た私。

空はうっすら赤く染まっていた。


私を見て駆け寄るラウラは、「私は妾でもかまわないから!」と宣言され、苦笑いするしかなかった。どうやらまだまだ悩みは尽きなそうだが、フェルはきっと私だけを思ってくれる。自意識過剰を全開にしてそう思う事にした。


悩んでも仕方ない。一歩前進した私はきっとこれからもまた戸惑うのだろう。


18にもなったんだ。まずはお酒でも呑んで、この世界をもっと堪能してやる!

そう思って初めてのビールの苦さにうっと唸り、次に出されたカクテルのようなフルーツフレーバーに酔いしれた。


それから数日後にお酒の力に飲まれた私が、まったく記憶には無いが強引にフェルの手を引き、ベッドへ連れ込み本当の意味で番となった。翌朝その事実を全裸で目覚め下半身の若干の違和感により実感し私は頭を抱え青ざめた。


……という事件が起きる未来があるなんて、楽しく飲んでいた私は知る由もなかった。


覚えの無いまま2人の熱い夜を迎えた私はその数日後に覚悟を決め、多少のお酒の力は借りつつもしっかりと意識のあるタイミングで愛し合った。


そんな夜を経てフェルとラブラブとなった私。


ラウラにまだ付き纏われている。

獣人族の姫として神獣フェンリルとの婚姻は憧れの対象だそうで、多少煙たがられても意地でも成し遂げると闘志を燃やし、最近は迷宮でメキメキとその実力を高めているようだ。


今では魔力上限も1万を超え、歴代最高の獣人族の王としての貫禄がでてきたらしい。目の前で「フェル様ぁ」と猫なで声を出す狼女からは想像もつかないが……


ラウラは前人未到の30階層を突破し、冒険者ギルドでもアイドル的な存在となったようだ。元々王国は獣人族への侮蔑するような者達はいないし、最近では帝国も変わってきたという。

それは私の功績でもあるようで、それは素直にお礼を言われた。


そんな中、私も適度に迷宮を楽しんだ。


「まあ、私は軽く40階層付近を散歩気分で進んでるけどね」

少し得意気に伝え、ラウラ改めララがぐぬぬとするテンプレを楽しんだりもしていた。


仲良くしていれば可愛い妹のように感じていたララとの生活。

だが油断はならない。


なんでもララは、というより獣人族は、なんと神獣でもフェンリルとなら子を()せるそうだ。自慢気にそのことを私に伝え、さらに「最悪、子作りさえできれば良いんだから!」と宣言された。


それを聞いてぐぬぬと唸る私。

本当に、マジで油断ならない。フェルだって一時の気の迷いというのが有るかもしれない。


そう思いつつも夜になると私に愛を囁き、抱きしめてくれるフェルに安堵するのであった。


そして最近ではこの拠点にもう一人、新たに訪ねてくる者が増えた。


勇者マサルだ。

マサルは、迷宮で必死に修行をした結果、2000を少し超えたぐらいだった魔力上限も今では6000程度にまで増え、迷宮の20階層辺りをウロウロしているという。


ある日、無理して進んだ22階層で死にかけたマサル。

偶々通りかかったララ御一行に救われてから、ララに惚れこんで何度も告白しては撃沈していた。さすがは魔王がいないならモフモフだ!とフェルに挑んだだけはある。

そしてララがこの拠点で生活をしていることを知り、何度も遊びに来ては口説こうと、彼是と迷宮での得た戦利品を貢いでいるようだ。


マサルはフェル達にはまだまだビクビクしているようだが、ちょっかい出さないならこちらも何もしないのにね。と思いながらどうせなら2人がくっついたら面白いのにと思ってしまう。


貢がれるララも満更でも無い様に見えるが、やはりララの本命はフェルのようなので、今後も厳しい目で監視していようと思う。


そんな中、またもお城にお呼ばれする私達。

用があればここに来たら良いのに、と思っているが何かと忙しいと言われ、さらにニコレッタ様に関わる大事な話なのですと付け加えられれば、気になってしまうので行かざるえなくなる。

何も知らないまま巻き込まれてしまうのは勘弁してほしいのだ。


そうして、いつもの様に訪ねた私達はいつもの部屋に通される。

そこには陛下と宰相、エレオノーレが待っていた。さらに同席したローランドはディーゴの傍に、イレーネと一緒に座って何やら楽しそうに話していた。私もそっちに混ぜてほしいのに!といつもの様に思ってしまう。


「それでは、私からお伝えさせて頂きます」

宰相シモーネが咳払いをした後、手に持つ紙を見ながら話し始めた。

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