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[完結]捨てられ聖女と森の主・妹のためにと捨てられたんですけど?  作者: 安ころもっち


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42.ニコレッタ、公爵家の処遇に納得する。

公爵三家のやらかしから1ヵ月ほどが経った。

冒険者ギルドを訪ねる度にギルド長も同席し、王家からのお伺いについて返答すること3回目。ようやく私が納得のゆくものとなりゴーサインを出した。


何を偉そうにと思うことなかれ。

最初に王家から提示された処罰が厳しすぎてもうドン引きだった。引き過ぎて思わず呼吸できなくなったほどだった。


まずは公爵三家は取り潰し。

直系の者は全て処刑の上、資産没収。それを私と被害者であるエレナで分配。さらに大司教と家族全員も同様に処刑の上、その資産を以下同文。さらにかかわった者達は奴隷として鉱山送りに……


まだズラズラと色々書いてあったが途中で「こんなの心苦しくて了承できるか!」と叫びながら、気付けば手紙を引きちぎっていた。

出来るだけ処刑の無い方向でと返答したら、今度は全員鉱山送りとしたものの、関係者の範囲が広すぎてまたドン引き。なんだよ、公爵家の暴挙を止められなかった罪で屋敷の者達も含めとか……


2度目は手紙を持ってきた担当者も居合わせたので話を聞くと、どうやら陛下は甘いと処罰をしたら私が暴れだすのでは?と思っているらしく、その言葉にイラっとしてしまい陛下宛に手紙を書いた。

内容は『強制労働は良い案。でも対象者はあの場に居合わせて協力した者達に限定してほしい。あと資産の分配は不要。フェル達の事は大々的に発表して良い。』という事を書いた。

もちろん分配についてエレナにも了承を得ている。他人の不幸で生み出されたお金はいらないとのこと。


そして3度目でそっくりそのまま私の返事の内容で執行することが伝えられ、ホッと胸をなでおろした。


それからはかなり大変だったようだ。

公爵三家が一挙に取り潰され、各領土はしばらくは王族の直轄領となるが、侯爵から三家を選んで転封させるようだ。

さらに御三家当主はそれぞれ大臣をやっていたので、副大臣をそのまま繰り上げしつつも、公爵と近しい関係にあったかどうかしっかりと調査し、場合によっては他の者を大臣に任命することになると言う。


ソレンティーノ公爵家の嫡男テオフィロは聖騎士団第一隊の副隊長であったが、これについては特に何の混乱もなかったようだ。次男カミッロについては言うまでもないだろう。

各領の領民達も不安だったようだが、暫くは直轄領であるがゆえ税が1割と大幅に軽減され、代官が最低限の差配をするようなので、逆に好印象だったようだ。できればこのまま、と言った声も多いとか。


正教会については大司教は鉱山送りにされたが、すぐに新たな大司教が任命された為、特に混乱は起きなかったようだ。


そして、各貴族達、教会関係者達が口々に『聖女様には絶対に逆らうな』と言う鉄の掟ができたとか……逆らえば一族郎党、使い魔に食い殺されると……


理不尽な噂ではあったが、結局は悪さをしなければ良いのだと落ち着いたのか、街を歩いていても拝まれることはあっても怖がられることは無くなった。

ちょっかいをかけてくる人もいなくなるだろうし、私は安心して魔道具の作成にチャレンジできると安堵した。


そして私は、鍛冶ギルドを朝から訪ねると、いつのまにか消えてしまったギルド長のロドリゴ・ティエポロに代わって新たなギルド長になったバジリオ・ゴッティに弟子入りした。

最初は口元の髭をガシガシしながら「ヒューマンの女に何ができる!」と断られたが、目の前で特大の魔石を作成したら、ニッコニコで弟子入りすることができた。


私は、自動結界作成のアクセサリーを作るべく、魔道具作成師の道を一歩踏み出した。


「親方!まずは魔道具の基礎から教えてください!」

「おう!それならまず免許が必要だ!魔道具ギルドの運営する学園に1年通って、みっちり基礎からやるんだな!」


私の大いなる一歩は、しょっぱなから派手に転んで複雑骨折してしまったようだ。


◆◇◆◇◆


「お兄様、大丈夫ですか?」

「ああ、ありがとなファビオラ……」


ニコレッタの兄マルコは、強制労働の場となった辺境の地、マディア領の北に位置する鉱山の診療所のベッドの上で、折れた足の痛みに耐えながら妹のファビオラの治療を受けていた。


「でもこれで1週間はさぼれるな。治療はほどほどでいいからな!」

「でもお兄様、あまり治癒の効果がでなければ、何を言われるか分かりませんわ……最低限の治癒は行いますわよ?」


ファビオラの言葉に「それは分ってる。だが、できれば1ヵ月ぐらい休みたい」とぼやいていた。

そして「お前はいいよな……」と小さく呟いたマルコの言葉に、ファビオラも多少の気まずさを感じた。


昨日、大量に入ってきた新入り達に仕事を教える役目を与えられ、今日は朝から肥えたおじさん達に色々指示したが「なぜこの私がこんなことを!」と騒ぐばかりでまったく言う事を聞かなかった。

それを見た監視員が「さっさと従え!」と命じ、おじさん達は痛みに負け指示を聞いて動き出した。だがその3人のおじさんを歯噛みしながら見ていた新入りの1人が、突然叫び声をあげマルコを突き飛ばしたのだ。


そして運悪く段差から転げ落ちた結果、マルコは左足を骨折し、診療所にと運び込まれることになった。


そんなマルコが治療を受け始めた頃、現場では突き飛ばした男に向かって監視員が厳しい口撃が成されていた。その口撃には首に装着された首輪により痛みへと変換され藻掻き苦しむことになった。


その後、痛みに呻いていた男の周りには現場の男たちも集まった。

今回入った新入り達も皆集められ、あの男の子には優しく接しろと強く命じられた。


あのマルコという少年の妹は診療所で働いており、炭鉱で働く者たちの心の癒しとなっているのだ。その兄妹は両親も処刑されこの場へ送られてきた可哀想な2人なのだと……

男は先輩の男たちに案内され、診療所を訪ねると、マルコに頭を下げ謝った。


こうして、この炭鉱はいつもの平穏を取り戻したのだった。

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