3.ゲーム好きな作家は案外アウトドア ゲーム好きの朝(夜)
登場人物
ゲームが好きな作家 もも
同居人でかっこいいタイプの人 こう
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「もも。今日さ夜ご飯欲しい?」
「ん…。」
素っ気ない返事だが、これが彼女にできる最大の返事だ。それは、三か月一緒に過ごしてきた俺が一番最初に学んだことだ。
彼女は毎日六時起きて、ずっと手を動かす。たまに本を読んでいるが、毎日ほぼ同じことの繰り返しだ。
一回だけそれをしていて楽しいのかと聞いてみたことがあるが、
「うん...それなりに...私が望んだことだからさ...」
仕事に本当にひたむきなんだな、と改めて感じられた。
「あっ、天気が...」
ふと顔を見上げると、さっきまで雲一つない快晴だったが雨雲が空一面をおおっていた。
「あぁ、洗濯もの。」
俺は慌ててベランダの洗濯物をかき集める。
「ありがと」
振り向くとももが居た。彼女の声をしっかりと聞いたのはいつぶりだろうか。
「あと、やっと、出来た...っ」
「うわっ。ももっ?!」
隈ので来てしまった愛らしい顔は微笑むと、倒れた。驚きで動かない体をなんとか動かし、彼女を寝室まで運ぶ。
「...やっと出来たよ。」
真っ白い指が指すのはパソコンの上に置かれている原稿。
「ありがと、これでボイスドラマ出来るね。」
「うん。」
俺とももはVTuberをやっていて、事務所から企画でボイスドラマの原稿から録音までやってみた。というもう時代遅れのような無理難題企画をやっていた。
「ねね牡丹姐さんあなた歌枠用意してたけど、ダメだよ。」
「やめて、歌わせてっ」
俺は羽根神楽、ももは羽根牡丹。姉弟という設定でやっているが、実際は俺が兄、ももが妹。
妹は配信が好きするのでストッパーとして俺も配信を始めることになった。今回のように無理難題を言われる時もあるが、だいたいは楽しい。ももが続ける間だけ。と思っていたが、このまま続けていたいと思っている。
「うーんもぉ...妾の歌枠なし?」
「なし。」
「もうすぐ辞めるつもりだけど?」
「俺も続けるから辞めないで。」
「えっ?」
この時だけでいいから妹に甘えさせて。




