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ピンポンパール  作者: 二重名々


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第九十九話「意図を」

「いただきまーす!」


箱石卓球部は美翠の実家のお好み焼き屋、翠に来ていた。


「ふうん、これは良いな。先輩も好きそうだ」


志織は丁寧に切り分けながら食べる。


「紅ちゃん、どんどん食べなよー。今日の主役は君なんだから」


美翠が手際良く焼き、取り分けていく。


「は、はい」


一人だけ倍近い量を分配されている。


「紅ちゃん、すごかったよね!次から次へとずだだだーんって!」


「おい、それ俺の皿」


テンションが上がっている真珠は克磨の取り皿から食べている事に気付いていなかった。


「あれ何て言うんすか?こう、こんな感じのドライブ」


春呼はジェスチャーで表現しようとする。


「ああ、それは『スパイラルドライブ』だな。シンプルに言えば、横回転がかかっていても曲がらないドライブだ」


横回転で曲がるドライブ、横回転が無く曲がらないドライブ、横回転があるのに曲がらないドライブ。

これらを上手く混ぜ込まれると、相手からすれば非常にやりづらい。

紅もこれらのドライブ自体は攻略出来なかった。


「ポテサラお好み一つお願いします」


女乃が注文する。


「ポテトサラダが入ってるの?」


「さぁ?分かりません。重そうだとは思いますが」


「はは、、、相変わらず」


アイサと女乃は周りのフォロー役に回る事が多いが、二人でいると女乃が自由人の枠に入る。


「地区大会まで一ヶ月を切った。ここからは私の手助けも無い。厳しい日々になるぞ」


「はい!楽しみです!」


真珠の答えに、志織は困ったように笑む。

真珠がその意味を理解する前に、志織は克磨に向けて言った。


「、、、克磨君、白雲から目を離すなよ」


「えっと、はい?」


克磨も志織の言葉の意味は分からなかった。


「それって、どういう」


「お待ちどーう、ポテサラお好みでーす」


美翠の再登場で、克磨は意図を聞き返すタイミングを何となく失ってしまったような気がした。


(まぁ、良いか。いつも通りで良いんだったら)




「お身体に気を付けて。何かご用がありましたらいつでも仰って下さい。すぐに駆けつけます。あと、、、」


「もう、志織ちゃんは心配性なんだから。志織ちゃんこそ、何かあったらすぐ頼ってね」


珠美はウサギを抱きながら志織を見送る。

志織が持っていたのは小さなカバン一つだけだった。


「勿体無いお言葉です。、、、ではまた」


「またねー」


克磨は軽く頭を下げた。


(この一週間で、確実に皆強くなった。皿井さんの指導を無駄にしないためにも、地区大会、いや全国大会を絶対に勝ち抜く)

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