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ピンポンパール  作者: 二重名々


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第七十七話「普段」

「練習試合ではそれぞれの武器と課題が色々見えた。今日からは個人に合わせて別メニューで練習してもらう」


普段の練習では見えないような部分も、他校との試合でなら見えやすくなる。

普段と違う環境で、普段と違う相手と戦う事のメリットと言える。


「真珠の課題は体力面だな。人並み以上にはあるだろうけど、それじゃまだまだ足りない。最初から最後まで全力を出せるくらいのスタミナが要る」


「うん、私もそれは分かってる」


真珠の才能に技術は追いつきつつある。

だが肉体は追いついていない。

そのギャップが真珠の弱点となってしまっている。


「という訳で今日はシャトルランでスタミナ強化だ」


「おー真珠ちゃん頑張ってー」


美翠が他人事のように言う。


「言っておくけど、美翠さんにもやってもらうぞ。目立った欠点は見つからなかったから、確実に効果があるスタミナ強化をしよう」


「うぇ」


「頑張りましょう!美翠さん!」


絶望する美翠に対して、真珠は前向きだ。


「それじゃあ、向こうの端で早速始めてくれ。音源はこれに入れてあるから」


克磨はスマホとスピーカーを真珠に手渡した。

美翠はスマホを見て悪い笑みを浮かべる。


「これ、克磨くんのスマホだよね。後で中覗いちゃおっかなー」


「前使ってたヤツだし、何も無いからな」


「えぇー」


遊びを奪われた美翠はつまらなさそうに言った。

格技場の端に移動した真珠と美翠はシャトルランを開始する。

スピーカーから流れる電子音が神経を摩耗させる。


「というかこれ最初から速くない!?」


「これもノートにあった練習方法の一つだ。効果はあったがトラウマになったって書いてあった」


「それを躊躇無く私達にやらせるんだ。私は別にシャトルラン嫌いじゃないけど」


ノートには練習方法や技術について詳しく記されているが、そこには感想や評価も付いている。

歴代の部員の経験が蓄積されているのだ。


「それじゃ、その調子で続けてくれ。他の様子を見てくる」


真珠と美翠以外の四人にもそれぞれ個別メニューを指示していた。


「美翠さん!次入ります!」


「はいはーい」


流れ続けている電子音が一区切りしたタイミングでシャトルランを再開する。


「はぁ、今日はよく寝られそう」

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