第二十三話「茶色」
「えー、一時半まで昼食休憩です。昼食休憩後はトーナメント形式で試合をします。それでは、各自休憩に入って下さい」
真珠は汗一つかいていなかった。
真珠と同じグループになっていた初心者は反対に汗だくだ。
「それじゃ、お疲れ様ー」
「あ、ありがとうございました」
全員が集合し、それぞれが持参した昼食を食べる。
「あ、紅ちゃんサンドイッチなんだ。自分で作ったの?」
「うん、好きな味に出来るから」
紅のサンドイッチには玉子、カツ、ハムチーズなどの他にジャムやシソが挟まった物もあった。
「真珠のお弁当は自分で?」
「ううん、お母さんが作ったのだよ。私あんまり料理得意じゃないし、お母さんの料理が美味しすぎるから」
真珠の弁当は大きな二段になっており、下の段には混ぜご飯、上の段に様々なおかずが敷き詰められている。
彩りや栄養にも気を配られた弁当だ。
「克磨はコンビニのパンね」
「ああ。オレは料理出来ないし、母さんは朝弱いから大体買ってる」
元トップ選手の天藤珠美の弱点を思わぬ所で手に入れた真珠だったが、かと言って何かに使える訳でもない。
「先生のお弁当は自分で作ったんですか?」
「え、ああ、そうね。余り物を詰めただけなんだけど」
見るからに茶色が多い。
「おおー」
真珠は何とも言えない反応をした。
「えー、トーナメントの組み合わせを貼りました。女子は前、男子は後ろにあります。各自対戦相手を確認しておいて下さい」
昼食休憩中にトーナメントの組み合わせが発表された。
真珠は自分の名前を探す。
「あった!下から三つ目!」
最後から二番目の試合。
真珠が試合をするのはしばらく後になりそうだ。
「紅ちゃんは?」
「真ん中くらいかな」
紅にとっては初めての対外試合。
これから挑むより大きな大会に向けて、試合の雰囲気に慣れておかなければならない。
「紅、これまでに教えた事をそのままやれば良い。ちゃんと通用するはずだ」
「うん!頑張るね!」
紅は克磨の期待に応えようとやる気十分だ。
「真珠は、、、ほっといても何とかなるよな」
「扱い雑じゃない?」
しかし、真珠は不敵に笑った。
「ま、勝つから何の心配も要らないけどね」
「そう言えばお前審判じゃなかったか?」
試合を待っている選手は審判、得点係をする事になっている。
第二試合以降はその台で負けた選手が次の試合の審判や得点係を務める事になる。
「そうだった!行ってくる!」
真珠は急いで走っていった。




