表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ピンポンパール  作者: 二重名々


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/117

第二十二話「長椅子」

「着いたーっ!」


真珠は両手を挙げる。

新人強化大会の会場である犬木高校に到着した。


「真珠、あんまり騒がない方が、、、」


「先生、受付に行ってくるので先に中に入っておいて下さい」


「あ、はい」


犬木高校に乗り込んだのは白雲真珠、七星紅、観空克磨、そして引率の相田羽子。

名前だけの顧問とは言え、大会などでは引率しなければならないのだ。


「白雲さん、七星さん、行きますよ」


「はーい」


犬木の体育館は二階にある。

珍しい構造だが、大会を行えるくらいの大きさはある。


「おおー!広い!」


「格技場の倍以上あるね」


バスケットボール、バレーボール、バドミントンなど、体育館を利用する種目は多い。

卓球が体育館を埋め尽くすのは真珠にとって驚くべき事であった。


「この辺りにしましょう」


壁際に並べられた長椅子の一つに陣取る。


「あ、克磨!こっちこっちー!」


体育館に入ってきた克磨を遠くから見つけた真珠が呼ぶ。


「これが今日の予定。九時半に挨拶があって、そのまま説明。それが終わったら昼まで合同練習。昼休憩の後はトーナメント形式で試合だ」


克磨はプリントを渡しながら伝えた。


「合同練習って何するの?」


「さぁな。具体的な指示はここの監督が出すらしいけど」


犬木高校は県大会上位常連。

監督の腕もそれなりに期待出来るだろう。


「時間になりました。選手の皆さんは前の方にお集まり下さい」


音質の悪いスピーカーから全体にアナウンスされる。


「行くよ紅ちゃん!」


「う、うん!」


真珠は紅を引っ張って連れていく。

羽子と克磨は長椅子で待つ。


「観空君に指導者の役割を任せてしまってごめんなさいね。本来なら顧問の私が何か教えるべきなんだけど」


「いや、こうして引率してもらえるだけで十分ですよ。それに、指導するのも一応自分の意思で決めた事ですし」




「隣の台で良かった。遠いと見づらいからな」


練習するグループはランダムに決められた。

幸い真珠と紅は隣の台で打つ事になったため、克磨は二人の様子を同時に見る事が出来る。


「お願いしゃす!」


午前中の練習は男子も混ざって行う。

高校から運動部に入った紅にとっては、男子と合同で練習する事は初めてとなる。


「お、お願いします!箱石高校の七星紅って言います!」


おどおどしながらも名乗り合い、練習を開始する。


「えー、まずはフォアのラリーから」


犬木高校の監督がマイク越しに指示を出す。


「あ、七星さんって左利きなんだ」


「こういう時ってクロス?ストレート?」


「えっと、いつもはストレートでやってるかな。私の時だけ違うコースになっちゃうけど、、、」


「いや全然良いっすよ」


(優しそうな人達で良かった、、、)


紅は心の中で胸を撫で下ろす。


「ひぃぃぃ、、、」


隣の台では真珠が他のメンバーを蹂躙していた。


「真珠!もっと抑えろ!」


克磨が叫ぶ。


「普通に打ってるだけだって!」


よりによって初心者が固まっているグループだった。

真珠が普通に打つだけでもまともに反応出来ない。


「一割の力で良い!力を調整する練習だと思え!」


「一割、ね。よし」


真珠は相手の緩いサーブを慎重に打った。

ほとんど当てただけだが、初心者にはそれでちょうど良いくらいだった。


「、、、今日は教える側に回らないとかな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ