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総帥閣下と青年将校

「ふふふっ。ヘルマン。流石戦略家ですね」スキルに戦略家って書いてあったしな。


「ほほっ、有り難きお言葉。それではアイル様、そろそろ軍議の時間になりますので…会議室に参りましょう」


先程と同じく9時から軍議は始まった。すでに総帥が席についていることもあって、遅れてやってきた将軍たちはバツが悪そうな顔をしているぐらいで、戦況説明は1回目のループと同じように進んでいた。


「では、アイル総帥、何か意見はございますか?」将軍の一人が言う。


「いいえ、そのまま続けてください」私は答える。


「はっ、それでは次に……」

1回目のループでは調子にのって、作戦やらを悠々と語ってしまったが、普通に考えれば総帥と言われてはいるが、16歳の少女がそのような立場を自らの力のみで獲得することなど不可能に近い。この軍議に参加する将軍たちだって、若くても大体30代だ。そんな彼らからすれば、私は、戦争も知らぬ小娘にすぎない。ならば、このアイルという少女が総帥職についているのは、何かの政治的事情があり、こういう場合は基本的にお飾りだと考えた方が良い。そんな少女が自らを囮に反転攻勢にでる案などを語りだせば、良からぬことを考える者たちの関心を引き寄せてしまうかもしれない。


「それでは、23万の軍で首都を守備し、敵の疲弊を誘い、折を見て攻勢を仕掛ける。また、敵第2軍と交戦中の味方8万が敵を粉砕し増援に駆けつけるのを待つ。それでよろしいですかな?アイル総帥」


「ええ、構いません。その作戦でお願いします」


私は頷く。ユスティアが会議の最後に発言した。


「皆様。本日はアイル総帥のお誕生日でありますので、夕刻18時より祝宴を開きます。任務のない将兵は、そちらに参加ください。よろしくお願いします。」


将軍たちは一斉に立ち上がり私に敬礼をし、席を立つ。

私も立ち上がり、会議室を後にした。

私はちょうど部屋から出ようとしていたニコラスを呼び止める。


「ニコラス、こちらに来ていただけますか?少しお話があります」


「はっ、アイル総帥、私に御用がございますか。」


「すみません。とても大事なご相談がありまして、ここでは話づらいので私の部屋に来ていだけますか?」


「勿論でございます。」ニコラスは、緊張した表情で答えた。

私は、ユスティアに指示して、ニコラスの分の昼食も用意させ。私の私室にそれを運ばせた。

食事が用意されたテーブルと椅子。私は人払いをしニコラスと2人きりとなった


「アイル総帥、お話というのは……何でしょうか?」ニコラスは、遠慮がち尋ねる。


「ええ、話というのは……貴方とリースの関係についてです」私は微笑みながら言った。


「いえ、別に何もございませんよ。そのまだ…ですが…」ニコラスは少し照れながら答える。可愛らしい奴め


「リースはなかなかの美人ですよね。その…私も容姿には気を使っているのですが?比べて見てどうですか?」

私は敢えて上目遣いで色っぽい表情をする


「え……えと……」ニコラスが顔を真っ赤にしてオロオロとする。


「もう、こんな冗談はおやめ下さい。総帥」


「ふふ、ごめんなさいね。でも、貴方とリースがお付き合いしたいのなら応援してあげようと思ったのですよ?」


私は笑顔で言った。


「あ……あの……?」


ニコラスが困惑している?まるで状況を飲み込めていない様子だ。私は先程の上目遣いからは一変泣きそうな顔をしながら話しかける


「ニコラスあなたがたを応援してあげたいのですが懸念が……実はリースには良からぬ噂があるのです。」


私は目から一筋涙を流す。


「そ、総帥!?」

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