総帥閣下は女の子の体に興味があるようです。
正直絶望的な帝国の戦況だが、俺はドキドキしていた、学生時代に友人から勧められた戦争戦略ゲームにドはまりした俺は、ゲームでは数々の名将、英雄、独裁者となり、絶望的な状況から国を勝利に導いた。そんな俺が、今度は実際に戦争の指揮をとるのだ。
しかも、俺は美少女だ。
そう、今の俺の外見は金髪の超絶可愛い女の子なのだ。
こんな娘に指揮されたら、どんな兵でも必死に戦うに違いない。世界征服して独裁者になってアイドル的に崇められるんだ。悪くない。
そんなことを思いながら、俺は鏡の前で、クルッとターンする。
「うん、我ながらかわいい」
キリッとした
目鼻立ちに、長いまつげ、透き通るような白い肌に細い手足。まさに理想の美少女像。眉毛がちょっと太いのもチャームポイントだ。
俺は、姿見を見ながら、ポーズをとったり、ウィンクしたり、投げキッスをしたり、色々やってみる。
「うーん、色気はあんまないが…これはこれで…」
俺は、美少女の身体を手に入れたことに大満足だった。よし着替えついでに、身体を見てみますか…!
ワンピース型のパジャマを脱ぐと、そこには白い下着に包まれた胸があった。うむ、ぺたんこ。しかし、色は白くシミひとつない。素晴らしい。
続いてパンツに手をかけると、そこには、やはりと言うべきか、馴染みものがなかった。わかってはいたが、32年間苦楽を共にしてきた戦友を失ったようで少し寂しい。
俺は、気を取り直して、自分の全身をくまなくチェックしていく。髪は腰ほどまで伸びていて、さらさらだ。転生状況を鑑みて、これは恐らく元々アイルという少女がおり、その身体にオレの魂が乗り移った
形だろう。つまり、この金髪美少女はオレの肉体であり、オレはこの美少女を操っているということになる。
「この美少女をオレが自由にしている……そう考えると興奮してくるな」
オレも魂は男であるため、この身体に興味も抱いていないといえば嘘になる。だが、先程の通り、戦友を失ったことで、俺は興味はありつつも欲望という面は薄れてしまったのか、とりあえずは夜になるまで、そのあたりの興味関心は封じることにした。
「まぁ、いいか。とりあえずは、ユスティニアが言っていた軍議に参加しないとな」
オレは、畳んである軍服を手に取る。
白をベースにした軍服には勲章や襟章、金のキラキラした紐の装飾が所々にあり、袖に階級を表す刺繍が施されている。さて、「これ、着方わかんねぇな」下は何故か黒いスカートだったのだが、履き方がわからず苦戦した。なんか巻く感じなのね。
なんとか、スカートを履くことに成功したオレは、ちょっと味が濃く、要人貴人の食事にしては平凡な食事をとり軍議の会場に向かった途中ユスティアが扉を叩き時間を告げる。実際に準備を終える頃には9時をだいぶ過ぎていた。