総帥閣下復活する
私は血まみれの軍服を脱ぎ捨てる。しかし、私の首には刺し傷どころか、かすり傷ひとつない。それを見た将軍たちは茫然としてただ座っているだけだった……。
「みなさんを騙すようなことをして
ごめんなさい。」
私は、椅子に座り直すと将軍たちに謝罪した。
「アイル様、いったいこれはどういう……まさか!?その血はフェイク?」
ニコラスは何かに気づいたのか私に質問をしてきた。
私は頷く。
「はい、食材を利用した血糊を仕込んでいました。幼児にも出来そうな簡単な仕掛けですが暗い会場と、私が自害するという事態に呑まれて誰も気づきませんでしたね。」
私は、静かに、そして雄大に語りだす。
「みなさん。私はリースが裏切るということ、そして今日を狙って私を殺そうとしていること、すべて気づいていました。ですが、動機や目的はわからず…何よりも忠臣であったリースを信じたかったので、このような策を講じたのです。リースは死に、私は生き残りました。ですが国が守られたわけではありません。強欲で野心的なソルンが、果たして私の命だけで、ドイルの地を見逃すと思いますか?このままでは、ドイルは、ソルンによって滅ぼされるでしょう。」
将軍たちは息をのんだ。
「リースはソルンに嵌められたのです、彼女は私を裏切っても国は裏切っていなかった…。交渉とは敵の脅しで与えられるものではなく、勝利したものが初めて得ることのできるのです。そして、私にはこの国の総帥として、国を勝利へ導く義務があり、そしてそれを成し遂げる計画があるのです。」
将軍たちがこちらを見つめる。会議の時のような半信半疑ではなく、神にすがるように
私はにこっとほほ笑む「希望は残っています。どんな時にもです。ですがそれを成し遂げるのは私一人の力ではとても無理です。皆様、お力をお貸しくださいますね?」




