総帥閣下とお誕生日パーティー
「安心してください。リースの疑いが晴れれば、その件は、二人の仲を面白がった私が、強引に命じた…と便宜いたしましょう」
「わかりました。アイル様、このニコラス・ライツ必ずやリース殿の疑いを晴らしてみせます!」
「ええ、期待しておりますよ。ニコラス♡」
ニコラスはやる気に満ちた目で敬礼し、部屋から出ていった。
私は部屋の外にいるユスティアを呼び出す
「ユスティア、私は今夜の祝宴の準備に取り掛かります。あなたは祝宴の責任者として会場で指揮をしてくださいな。私は1人で大丈夫です。」
「はっ、ご命令とあらば。」ユスティアは敬礼し去っていった。ユスティアは、恐らくリースと内通している。地下壕内は武器の持ち込みは禁止なようで、ユスティアは武装していないが、近くにおいておくには危険すぎる。
1人残った私は、リースを迎え撃つ準備を始めた。私の予想通りの行動をするならば、ニコラスに付き纏われて祝宴前に私を暗殺することが難しくなるだろう。そうであれば、仲間に何か指示を出すか、強行的手段に出るはずだ。それを逆手にとって彼女を嵌めてやればいい。
「しかし……これしか方法はないか……」
私はため息をつき、先程の食事の残飯を見回した。
夜になり祝宴が開かれた。私の想像通り祝宴前に、リースは私の部屋を訪れなかった。ニコラス頑張ったな。
「アイル様、準備が整いました」ユスティアがドアの外でつげる。
「ありがとう、それでは行きましょうか」私はドアを開けた。ユスティアの後に続いて祝宴の会場に入る。大きな部屋の中央に置かれたテーブルに、ご馳走が並べられている。だが、よく見てみると想像した通りだが、敗戦直前の帝国、誤魔化しが効かぬ程に、高級な食材は使われていない。むしろ、備蓄している小麦粉などから作ったであろうパンや様々な具材を高価な食器や暗めの照明で無理やり豪華に見せている。
「総帥閣下、お誕生日おめでとうございます」
将軍たちや政府のお偉方と思わしき者たちの挨拶がされた。
「ありがとう。皆さん」
私は笑顔でお礼を言う。
「皆様、本日は私の誕生日に祝宴を開いていただきありがとうございます。これからも帝国の繁栄と勝利のために頑張ってください。それでは皆さんごゆるりとお楽しみくださいませ。」
「おおー!!」将軍たちが歓声をあげ、陽気な音楽が鳴らされる。
私は、食事をしながら、会場を見回していた。
「リースは…………」リースの姿は会場内にはない。私は視線をあげる。そこにはユスティアがいた。目があうと、少し首を傾げニコッと笑顔を返される。ユスティアは表情が読めない…
「ユスティア、リースはどうしたのですか?姿が見えませんが」




