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異世界転生の悪い例





「いっけね、遅刻だ遅刻―っ!」


 俺の名前は鬼龍院琉翔! どこにでもいる、ごくごく普通の男子高校生だ。

 今日は新学期の初日。それだというのに、思いっきり寝坊をしちまった! だから今、俺は食パンを一枚くわえて玄関を飛び出したのだ。


 横断歩道の赤信号も煩わしい。

 その間に食パンを食べ終わって、呑み込んで、青信号と共に飛び出す!

 そして走ること十数分。とある角を曲がった時だった。


「きゃ!」

「うわ!」


 反対側から飛び出してきた女の子――の、運転する自転車に轢かれたのは。

 瞬間、俺の目の前は闇に包まれた。そう、死んだのだ。

 こんなに呆気ない形で、俺の生涯は終わりを迎えた。








「起きなさい、鬼龍院琉翔――起きなさい」

「う、うぅん……?」


 次に俺が目を覚ました時、そこにいたのは一人の女神だった。

 なんというか、こう美人だった。とにかく美しくて、俺はドキドキしてしまう。この人の言うことだったら、何でも聞いてしまいそうだ。とにもかくにも、俺は死んでしまったのだから、女神さまの言う通りに起きることにした。よっこらしょっと。


「なんですか、女神様」

「あまりにも短い生涯を終えてしまった悲しい少年――鬼龍院琉翔。貴方に、異世界での二度目の生を与えましょう」

「二度目の、生? それってつまり――」


 つまりもなにも、異世界転生というやつだった。

 俺はWEB小説をよく嗜んでいたため、そのあたりの事情には詳しい。

 つまり女神様は俺のことを見込んで、世界の救済をお願いしたいのだ。そうに違いないと思い、俺は立ち上がった。


「貴方には勇者となって、魔王ガンデロウセルスを倒してもらいます」

「分かりました。ガンデロウセルスですね! どんな奴かは分かりませんが、きっと俺が倒してみせますよ! 任せてください、そして結婚して下さ――」

「それでは、転生の儀を開始します!」

「はーいっ!」



 果たして、俺は異世界に転生したのだった。





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