18. 出来心
「今期もだいたい見るアニメ決まってきたな。」
俺はいつもよりも真剣にアニメを見ていた。
斉藤チョイスにより、今期アニメも視聴継続するものが決まりつつあった。
アニメのいいところは、アニメを見ている時は他のことを考えなくていいところである。
他のことというのは、例えばそう、昼休みのこととかである。
昼食を終え、いざ決戦の地へ向かう。北本が来てくれるのは本当に心強い。
北本の方に目をやると、なにやら白川と目で会話をしているようだ。
「では行きましょうか。」
心なしか白川がジト目でこちらを見ている。
即座に目をそらして北本と教室を出た。
「北本が来てくれて本当に助かったよ。」
「別にあなたを助けるために来たわけじゃないです。私も今週から図書室で勉強しようと考えていただけです。」
「それでも俺はかなり助かっているがな。」
「斉藤くんは佐々木さんのことどう思ってるんですか?」
「不思議な存在というのが率直な感想だな。なんで俺にここまで絡んでくるのかわからない。あいつそれなりにかわいらしいし、俺なんかよりいい人間と仲良くすればいいのに。」
「まあ、確かにかわいいですよね。だから毎日会いに行ってたんですね。」
「だから違うっつーの。」
他愛もない話が続く。
「斉藤くんは白川さんと佐々木さん、どっちの方が好きなんですか?」
「なんで修学旅行の夜みたいな会話になっているんだよ。」
「それで、どっちなんですか。」
しつこく聞いてくる割には興味なさうな表情してるな。
「俺は一般に人を好きにならない。好きになれるほど相手を知ることもしないし、知らないところも包括的に好きになるなんて無謀なこともできない。同じ理由であんまり人のことを本気で嫌いにもならないけどな。」
「そうですか。まあそんなところだと思いましたけど。」
なんなんだ。いつも俺と話す時は無表情だが、今日のは特にそう見える。なんか釈然としない。
そんな表情をされると俺の中のいたずらごころがわくわくしてくる。
「でも、強いていえば一番好きなのはお前だな。」
「へ?え、えええ?」
「ほら、もう着いたぞ。」
真っ赤になっている。こいつも意外とかわいいとこあるな。佐々木と戦う前に北本のレアな顔が見れてよかった。
「え、ちょっと!どういうことなんですか。説明してください!」
俺の制服に掴みかかってくる。このままじゃ佐々木にやられる前に北本に殺されかねない。
「悪い、ちょっとした冗談だ。」
「もう!」
北本はおこだ。
「だけど三人の中で一番気が合いそうなのがお前なのは本当だぞ。」
「ああもう!なんなんですかーーー!」
彼女の叫びが廊下にこだました。




