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俺だけがいる世界  作者: 北野こち
第10章 終わりがあるから始められる
190/241

186. 授業中読む漫画が一番面白く感じる不思議



 俺が彼女に感じた違和感は2つだ。


 まずは時期。教育実習のシステムなんて全く知らないが、何となく夏頃とかのイメージがある。こんな冬に差し掛かる時期に来るものだったっけ?高校の教育実習は中学までとは別なのだろうか。


 もう一つはメモをしている内容だ。さっきも言ったように、女子大生はずっとメモをしている。初めは俺はこの授業のメモを取っていると思った。そりゃ教育実習なんだから授業のやり方とかをメモすると思うのが自然だろう。

 だが彼女をよく見てみると、彼女はさっきから色々な生徒を目で追って何かをメモしている。どうやらメモの対象は俺たちこのクラスの生徒のようだ。この授業の何をメモするんだとさっき思ったが、さすがにクラスの生徒よりはメモすることはあるはずだ。俺たちの何をメモしているのだろう。というかそういう生徒の性格とか態度とかを先生が見るって小学生、よくて中学までだろう。高校生にするものかね・・・。

 それに今日の彼女のメモする対象ずっとクラスの右半分だというのも気になる。自然に考えれば俺たち左半分はもうすでにメモ完了済みということになる。前回の俺はあんたに気が付かなかったからずっと漫画読んでたりスマホいじってたりしてたんですけどもしかして後で密告されます?


 というかそれなら別に今漫画読んでも問題なんか何もないわ。そっちはスーツかもしれないが今期はセーラー服がアツいんだよ、なんて心の中で言いながら俺は机の中に半分隠すいつものスタイルで漫画を読み始めた。


 あ。不意に今日の時間割が頭をよぎる。

 今日はロングHRがある。突然現れてまだ名前もわかっていない彼女の紹介をおばちゃんがするにはもってこいのタイミングではないか。十中八九このロングHRで彼女の素性がわかる。媚を売って密告を回避する手段を考えるのはそれからにしよう。


 「それでは次の段落から音読しましょう、では窓の列の先頭から」

 謎多き女子大生に考えを巡らしていたら、くそダル音読パートが回ってきた。

 俺は静かに漫画を腹で押し込み、自分の順番が回ってくるまでの間で板書から情報を拾って急いで教科書のページをめくった。

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