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俺だけがいる世界  作者: 北野こち
第10章 終わりがあるから始められる
183/241

179. 今期は釣りをしながら着せ替え人形にセーラー服を着せて楽しんでいます



 ・・・。

 エプロンとバンダナを装着して、我ながら似合わないことを自覚しつつ家庭科教師の到着を調理室で待つ。黒板に書かれた指示に従ってクラスメイトはすでに事前に知らされた班ごとにわかれて席についている。

 ちなみに俺は4班で、班員は俺と白川と中谷と安西だ。中谷は最初の席替えで長い間席が隣だったあの中谷で、安西は女子ということ以外何も知らない。

 現在調理室は談笑タイム。調理台を隔てて対岸に座っている白川と安西は楽しそうに話している。

 当然こちら側に座っているのは俺と中谷ということになる。

 「・・・。」

 が、会話が起こるはずはない。なんせ話題がない。

 こういうときはどんな話をするのが正解なんだ?運動会の話でもすればいいのだろうか。それとも話題に困った時に話される話題ランキング10年連続1位である天気の話でもすればいいのだろうか。

 ・・・もちろん俺はそんなことはしない。別に話しかける必要を感じないから。

 俺は漫画を読むため静かにスマホを取り出した。


 「ねぇ斉藤」

 「うぉっ」

 マンガアプリでニヤニヤするのを我慢しながらラブコメ漫画を読んでいると、前に座っている中谷が急に話しかけてきた。

 「あんた相変わらずね」

 中谷は振り返って俺のスマホを覗き込むやいなや呆れた顔でこっちを見てくる。久しぶりに話す一言目がそれかよ。てか当たり前のように俺のスマホ画面見てんじゃねえよ。良かったお色気シーンじゃなくて。

 「なにが」

 平静を装いながらスマホをしまう。

 「最近もあの店行ってんの?」

 あの店、というのはまぁアニなんたらとか、とらのなんたらとか、ゲーなんたらみたいな店のことだろう。

 「いや、最近は色々忙しくてな」

 そういえばこいつとの共通の話題あったわ。種類は違うがこいつもオタクだったわ。


 「お前は?」

 「あたしも最近は・・・アニメは見てるけど」

 「今期も新しく始まったもんな」

 「あんたは相変わらずキモオタ向けの萌えアニメ?」

 同じ穴のムジナのくせしてこいつほんと俺を馬鹿にしてるよな。

 「・・・そうだけど。お前も男同士のあれだろ?」

 「ぐっ・・・そうだけど」

 「最近面白いアニメ多くて大変だよな」

 「ほんとに。毎クール追うのが大変よ。まぁ楽しいからいいんだけど」

 「ははっ、そうだな」

 「それにしても最近は同じクールに何人も異世界に行ってるわね」

 言いたいことはよくわかるだ表現が少し面白かった。

 「無双するか、成り上がるか、スローライフを送るか、スローライフ風無双するか。まぁ色々あるわな」

 最近はよく国を再建している気がする。

 「あんたああいうの好きでしょ。かわいい子いっぱい出てくるし」

 「まぁ、嫌いではないな」

 「随分素直じゃない」

 「お前に隠しても仕方ないしな。てかお前だってホモアニメ見てるだろ?」

 「ホモアニメ言うな!わたしは男同士の熱い友情を見るのが好きなだけで・・・」

 「ふ~~~~~ん」

 「まぁあんたみたいな現実にいもしない男の理想の塊空想女に萌え萌え言いながら興奮しているやつにはわからないでしょうね」

 「お前の見てる漫画やアニメの男もいねぇっつうの!」

 

 「遅くなりました~~」

 バカ話で盛り上がっていたら先生が教室に入ってきた。

 いよいよ調理実習が始まるようだ。

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