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俺だけがいる世界  作者: 北野こち
第9章 答を出すには早すぎる
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159. クラスの女子についての政治的試論



 学校に到着し、校舎によることなくそのままグラウンドに向かうことに一抹の違和感を感じながらグラウンドの方に歩き、軍隊のごとく並んだ列のうち自分のクラスのものの最後尾に加わった。

 少し待って開会式が始まり、いまいち真剣味に欠ける選手宣誓センセーションを聞いたあと、全校生徒でグラウンドいっぱいに広がって準備体操をしていよいよ第一競技が始まった。


 出番が来るまでは俺に限らず基本暇であるため、クラスメイトはクラスのテント付近でみな思い思いの過ごし方をしていた。

 ちらりと周りを見渡すと、女子は基本談笑していて、数少ない男子はテントの外で体を動かして遊んでいた。

 あいつらを探す。ひとりは談笑の円におり、ひとりは円におらず、本か何かを読んでいた。どちらがどちらかは言うまでもないだろう。

 他の男子に混じって遊ぶのはごめんなのでテントの端で何をするわけでもなく腰を下ろし、教師のいないことを確認して早速スマホを取り出した。


 しばらくスマホを触った後なんの気なしにテント中心を見渡すと、そこに女子の勢力図が現れていることに気が付いた。

 まず一番大きなグループが真ん中に陣取り幅を利かせている。

 その周りに小規模グループがいくつか形成されており、それらの隙間やさらに外側にソロプレイヤーが点在している。


 また興味深いのが真ん中のグループが一枚岩かと言うとそうでもなさそうなところである。

 おそらくクラスの中心的存在の人たちとそれに付随するメンバーが構成員なのだろうが、その中でも積極的に発言して場を支配するタイプと、会話ではどちらかと言うと聞き手の役割を担っていて、一見すると場を支配している話し手に従っているように見えるが、よく見ると異なるアプローチで実権を握っているような第2のグループに分かれている。

 俺の知っているところで言うと前者のグループには上田やなべちゃんが、後者のグループには白川がいる。なんとなくだが、振る舞いや雰囲気を見るに後者のグループ側の人のほうが多いように見える。いや、実際はきっと情勢に応じて属するグループが変わる日和見菌みたいなのが大半なんだろう。

 表面的にはみんな仲が良さそうではある。が、果たして腹の中では誰と誰がつながっていて、どこが不仲なのだろうか、ちょっと妄想するだけでもクラスの女子の政治的側面が見え隠れしてきて面白い。



 ・・・なんてまぁそういうものは実際はないのかもしれないが、というか多分ないのだが、そんな見方をするだけでただの女子のグループが突如面白く見えてくる。

 何を隠そう基本今日の俺は暇である。そんな嘘か真かわからないことに頭を働かせるくらいいくらでもする。人という生き物は暇を持て余すとどうでもいいことを針小棒大に、事を大げさに扱って騒ぐ癖があるのかもしれない。


 テントの下のブルーシートの縁に座って外を見る。

 でっち上げ考察はそれなりに楽しいが、あんまりじっと女子を見ているのも気持ち悪いだろう。

 体育祭のしおりでも見てみるか。

 俺の出番は「綱引き」「玉入れ」「ムカデ競争」である。ほんとは3つ目は出たくなかったのだが、男子のムカデ競争は全員出場という委員長のお達し(というかそういうルールらしい)により出場することになった。

 はじめの出番は綱引きだ。あと10分ほどでアナウンスがあるだろう。

 ポケットから鉢巻きを取り出す。

 我らが3組は赤組であるため赤い鉢巻きだ。正直ずっと付けているのは恥ずかしい。

 でも出場するときは付けないわけにはいかない。忘れないうちに付けておこう。

 1つ目の競技が終わったようだ。

 これの次の次が綱引きである。

 面倒なのは変わらないが、出るとなったらわざわざ手を抜いたりはしない。まぁ本気と言っても俺の体力ではたかが知れているが。

 俺の力量はたかが知れているが、ここは他の男子たちに期待しよう。最近ちっとも出番がなかったしな。

 俺はテント内のベスポジを確保するために今まで座っていた位置に自分のかばんを置き直して次の競技に出る人が集まる集合場所に向かった。



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