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甘いかおりの花蜜は苦い  作者: あさまる
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2ー3

「なんでこんなとこおるん?てかそいつ友達?……なわけないか。」


「さくらも一緒に食べよーよ。」


「あ、えーっと……。」

どうしようか。

悩むさくら。


いつの間にか、ひまわりはさくらの背後に隠れていた。

彼女の震えがさくらの背中を通して伝わる。


「まぁ、いいや。昼食べよーぜ。」

どかっと乱暴に座る女子生徒。

彼女が座ったことで、他の生徒達もさくら達の周りに集まる。


「ほれほれ。」

もう一人が、ひまわりにちょっかいをかける。


「へー、顔は可愛いじゃーん。ほれほれー。」

更に一人が彼女をおちょくる。


「いや、あの……。」

ひまわりの声が震え、所々上擦っている。


「ちょ、止めなよ!」

腕を伸ばし、背後のひまわりを庇う。

その声には、少しの怒りがみえた。


「えー?何怒ってんの?」


「さくら嫉妬ー?」


「心配しなくても私ら誰もこの子取らないから安心しなよー。」


「ち、違っ!そんなんじゃ……。」

露骨に慌ててしまったさくら。

これがいけなかった。


「まあまあ。恥ずかしがらないで良いから。」

見つけたおもちゃは逃さない。

にやにやとさくらを茶化す。


一人ポツンと取り残されたひまわり。

自身とさくら達を俯瞰して見る。



自分一人だけ浮いてるな。



「ね、あんたも思うでしょ?」

突如、ひまわりへ向けられた言葉。

話を聞いていなかった彼女には、何のことか分からなかった。


「え?あ、えっと……。」


「もーノリ悪いなぁー。」

ひまわりの肩をがっと抱く。


恐い。

助けて。

早く帰ってほしい。

とうとう、ひまわりはキュッと目を瞑ってしまった。


ふと、今朝テレビでやっていた占いを思い出した。

新しく素敵な出会い。

そんなもの、大嘘だ。

こんなの、素敵でもなんでもない。



「ご、ごめんねはっち……。」


さくらの知り合いが皆どこかへ行き、二人きりになった。

さくらが口を開く。


「い、いや……大丈夫。」


気まずい。

いつもなら無言でも、心地良い空気である。

しかし、先ほどのこともあり、互いに話しずらい。


チャイムが鳴った。

ひまわりは弁当を片付け、教室を出ていった。


さくらの目には、彼女の弁当がチラリと見えた。

それは、昼休み開始時と変わらないものであった。

次章

2ー4

2018年9月1日

投稿予定。

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