16ー1
二人がひまわりを探しに行動を開始した頃、ひまわりは既に体育準備室に来ていた。
「こ、こんにちは。」
「こんにちは、ひまわりちゃん。」
にっこり。
穏やかに挨拶を交わす。
二人きり。
静かな時間。
気が楽になる。
それは、ひまわりだけでなく、かおるもそう思っていた。
黄色い歓声。
憧れの眼差し。
どれもかおるが常に浴びせられてきたものだ。
その中にはひまわりもいた。
しかし、アリアとさくらに騒がれている彼女には、そんなかおるの苦労が分かりつつあった。
「……なんかひまわりちゃんと話してると楽だなぁ……。」
「そうですか?ふふ、ありがとうございます。」
それはひまわりもだ。
以前のさくらは包容力があった。
そんな彼女もアリアという存在に焦り、ひまわりを困らせていた。
ひまわりの心は疲労していた。
そんな中、憧れの存在であるかおると仲良くなった。
彼女が心のよりどころになっていたのだ。
「な、なにこれ……。」
「……ひ、ひーちゃん……?」
窓から覗く二つの人影。
室内の穏やかな空気とは真逆。
それは、冷たくピリピリと張り詰めたものであった。
さくらとアリア。
驚愕と困惑。
様々なネガティブなものが交錯する。
「……な、なんで……?」
その場にへたりこむアリア。
「……私達さ……。」
ぽつり。
さくらが口を開いた。
「……?」
「私達、自分のことしか見えてなかったんじゃないかな?はっちのこと、もっとちゃんと考えないと駄目だったのかも……。」
「……そう、だね。……あんな笑顔なひーちゃん最近見てないや……。」
二人はひまわりには何も言わず、その場を後にするのであった。
「……どうやら解決出来そうだね。」
室内のかおるがぽつりと呟いた。
「……え?」
聞き返すひまわり。
「なんでもないよ。……ほら、教室に帰った方が良いんじゃないかな?」
「え?あ、そうですね、ありがとうございました。」




