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甘いかおりの花蜜は苦い  作者: あさまる
36/61

12ー2

「お、お邪魔します……。」

アリアの家へ、遊びに来たひまわり。


その声は今までのものと違った。

また、彼女の見た目もいつもと違っていた。


制服には、埃や土がこびりついていた。

また、髪はいつもの艶やかな綺麗な黒髪ではなく、ボサボサになっていた。


誰がどう見ても異常だ。

彼女を出迎えたアリアとマリアの目にも同様に見えていた。


何かあったのは、明白である。

しかし、ひまわりは何も言ってこない。

ならば、詮索しない方が良いのだろうか。



「きょ、今日は外で遊ばない?」

ひまわりの提案。


今の自分は汚れていて、アリアの家へ入れば迷惑になる。

それは、ひまわりにも分かっていた。

その為、彼女はいつもとは違い、アリアと外へ遊びに行こうと提案したのだ。


「……え、あ……いや……。」

しどろもどろ。


アリアのその様子に、疑問を抱くひまわり。

何か外へ出たくない理由でもあるのだろうか。



「あっ、そうだ!」

ポン!

自身の手を叩くマリア。


何か思いついたのだろう。

その証拠に、彼女は何かを企んでいるようにニヤニヤと笑っている。



チャポン。


「ひーちゃん、身体洗ってあげようか?」


「いや、自分で洗うよ。ありがとうね。」


何故こんなことになってしまったのだろう。

ドキンドキン。

ひまわりの心臓が騒がしい。


今、ひまわりとアリアは、アリアの家の浴室にいる。

既に身体を洗ったアリアは湯船に浸かっている。

そんな彼女は、身体を洗っているひまわりをじっと見つめている。


頭を洗い始めたひまわり。

泡が目に入らないように目を瞑る。


「おっ、おぉ……。」

アリアの感嘆の声。


「え?なに?どうしたの?」

目が見えないひまわり。

アリアが何故そんな声をあげたのか、皆目検討もつかなかった。


「いやっ?なんでも?」

アリアの上擦る声。


様々な思いが脳裏を駆け巡る。

しかし、それら全てを端的に言うことが出来た。

眼福。

それが、今のアリアが思っているものだった。



「ひーちゃん!髪乾かしてあげるっ!」


「あ、うん。ありがとうね。私もありっちのやるね。」


入浴を終えた二人。

アリアの一言で、互いに髪を乾かし合うことになった。


黒く、潤いのある艶やかなひまわりの髪。

金に輝くゴージャスなアリアの髪。

対称的である二人。

しかし、どちらも儚い美しさを持っていた。

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