9ー1(過去編4)
さくらが連れていかれた後の教室。
自宅待機の指示が出て、生徒達が帰宅となった。
それは、ひまわりも例外ではなかった。
急に帰宅したひまわりに対し、何も言わずに出迎えた彼女の母。
学校から電話があったのだろう。
驚愕した様子はなかった。
何かを言いたそうな顔であったが、それを押し留め、ひまわりを力強く抱き締めた。
ひまわりは、自室に向かうと、布団に包まり小さくなっていた。
今日見たさくらの姿。
今までに見たことのないような凶暴なものであった。
「恐い……。ひのっち……。」
何が原因だったのだろうか。
ひまわりは出来事を、目を瞑り、振り返った。
教室に入ると、一斉にクラスメイト達に囲まれた。
わけが分からないまま、彼らの輪の中心に連れていかれ、様々なことを言われた。
その全てが、今彼女が思い出したくないようなものであった。
混乱しながら浴びせられる心ない言葉の数々。
恐怖のあまり、その場にしゃがみこんでしまう。
誰か助けて。
ひまわりは、耳を両手で塞ぎ、目を瞑た。
すると、彼女の願いが届いたのか、それらがぴたりと止まった。
代わりに違うものが、教室に響き渡った。
男子の怒号。
しかし、先ほどまでとは様子が違う。
女子の悲鳴。
逃げ惑っているのか、ドタドタと大きな足音が複数。
ひまわりが目を開けると、そこには信じられない光景が広がっていた。
複数の男子相手に殴りかかっているさくら。
彼女の表情は、今まで見たことのないほど危機迫っているものであった。
何人かが既に倒れ、踞っている。
「……なに……これ……?」
わけが分からないひまわり。
思わず出た言葉がそれであった。
非日常な景色。
そんなものを突然目の当たりにした時、どうすべきかが分からない。
それどころか、頭が真っ白になってしまう。
それは、ひまわりも同様であった。
次章
9ー2
2019年1月26日
投稿予定。




