7ー1(過去編2)
「はっち昨日は大丈夫だった!?」
朝一番。
そして、ひまわりの家に来たさくらの開口一番がそれであった。
「あーうん。魔女なんていなかったよ。」
えへん。
したり顔のひまわり。
昨日、ひまわりが帰宅すると、彼女の母に鬼の形相で怒られた。
外が真っ暗になるような時間。
彼女自身何時なのか正確には分からなかったが、彼女が楽しみにしていたバラエティー番組の放送が間もなく終わるという頃であった。
母にしこたま怒られ、げんこつを喰らったひまわり。
実のところ、そちらの方が、彼女にとっては恐い体験として記憶により強く刻まれていたのだ。
「ほら、馬鹿やってないで早く学校行きなさい。」
「ひ、ひぃっ!い、いえっさー!」
ひまわりは、彼女母の言葉に文字通り飛び上がった。
そして、そのままさくらの手を掴む。
その流れのまま通学路へと飛び出していったのであった。
「はっち本当に大丈夫?ま、魔女になにか悪いことされてない?」
「大丈夫だよ、心配してくれてありがとう。」
目を細め、年齢に合わない妖艶な笑みをする。
さくらには、それが何を意味しているのか分かっていた。
これ以上詮索するな。
そういうことなのだろう。
「でも嫌なことあったら言ってね。」
これでこの話題は終わりにしよう。
二人が教室に入る。
そこは、いつもと雰囲気が違った。
もちろん二人もそれに気づいた。
気づくのも、当たり前と言えば、当たり前であった。
彼らの視線が一点に集中していたのだ。
皆、ひまわりを見ていた。
どうしたのだろう。
二人の疑問。
しかし、とても彼らに直接聞けるような空気ではなかった。
ドタドタドタ。
すぐさま駆け寄ってきたクラスメイト達。
彼女らは、さくらへと群がり、彼女を連れて行った。
普段目立たないさくらが、クラスメイトに囲まれ、ひまわりが無視されるような状況。
非常に珍しいことに、その場に取り残されたひまわりがポカンとしている。
連れていかれたさくらは、その後ひまわりの元へ戻ることなくチャイムが鳴った。
気持ち悪い。
それが、ひまわりの正直な気持ちであった。
常に誰かに見られているような感覚。
そして、ヒソヒソと何かを言われている。
いつもなら声をかけてくる男子のクラスメイト達も、遠巻きに様子を見ている。
そんな状況が、不快でしかたがなかった。
言いたいことがあるのなら、言いにこい。
ひまわりはイライラしていた。
次章
7ー2
12月22日
投稿予定。




