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甘いかおりの花蜜は苦い  作者: あさまる
14/61

5ー2

ひまわりが、さくらの家へ向かっている頃。

ひまわりの家へ向かっている少女がいた。

今日転校して来たアリアだ。


無表情で歩く彼女の姿は、見る者全てを魅了した。

道行く者達は、彼女を見ることだけで、声をかけることすら出来ずにいた。



急がなければならない。



一切の躊躇なく、インターホンを押す。

アリアの指が押したのは、ひまわりの家のものだ。


早く。

早く早く!

早く早く早くっ!!


ガチャリ。

扉が開く。


「あら、この前の……。」

ひまわりの母だ。


「はい、近くに引っ越して来た日向です。実は私娘さんと同じ高校に転校しまして……。それで、教室であまり話せなかったので挨拶をと思いまして……。」

綺麗に頭を下げる。

脳内で何度も反復練習した言葉。


ドクンドクン。

心臓がうるさい。

冷静な顔をしているが、内心緊張しているアリア。


今日こそ言おう。

そんな決意を胸に、アリアはここへやって来たのだ。


「あー、ごめんね。あの子まだ帰って来てないのよー。」


「そう……ですか。すみません……。」

しょんぼり。


雨の日の捨て犬のようなアリア。

可哀相に。

彼女の姿を見て、そんな気になるひまわりの母。


「良かったら家の中に入ったら?」


願ってもない。

まさか本人不在でも家へ入れるとは思ってなかった。

「はいっ!ありがとうございます!」

アリアの満面の笑み。


皆を虜にする笑顔。

彼女の美貌から繰り出されるそれは、ひまわりの母も例外ではなかった。



「あの子の友達は二人とも美人ね。」

ニコニコするひまわりの母。

彼女の手には、菓子とジュース。


「……私なんてそんな……。ところでひまわりさんのお友達ってどなたですか?クラスメイトですか?」


「あー、近くに住んでる子なのよー。」


「名前分かりますか?」


「え?さくらちゃんって子よ。日乃山さくらちゃんって子。見た目はチャラチャラしてるギャルで、昔ちょっといろいろあったけど良い子よ。あの子とも仲良く出来るんじゃないかしら?」

ひまわりの母が、ニコニコと話す。


「日乃山さくら……。二人は仲良いんですか?」


「まぁね。幼馴染でずっと一緒だからね。」


「ずっと……ですか……。」


「え?そうだけど……。」



「日乃山……さくら……。」

ポツリ。

そう呟くアリアの表情は、美しくも恐ろしかった。

そして、幸か不幸か、彼女の呟きも、その顔もひまわりの母には届かなかった。

次章

5ー3

2018年11月3日

投稿予定。

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