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甘いかおりの花蜜は苦い  作者: あさまる
10/61

4ー2

いつにも増して騒がしい教室。

転校生が来たからだろう。

廊下にも、彼女を一目見ようと他の教室の生徒達がわらわらといる。



「大変だね、転校生の子。」


「そだねー。」


「疲れそうだね。」


「そだねー。」


「……ひのっち、ちゃんと聞いてる?」


「聞いてるよー。ごめん、ごめん。あんま興味なかったからさー。」

にししと笑い、謝罪するさくら。


ひまわりには、彼女の顔は見えない。

しかし、その声から、確実に謝る気がないというのは伝わった。


そんなことをしていた時、ひまわりは思う。

こんな日が続けば良いな、と。

周りから干渉されずに教室の片隅でさくらと二人でいる。

騒がしいはずの教室で、ゆったりとした時が流れていた。



あっという間に放課後になった。

アリアの周りには、放課になる度に生徒達の塊が出来ていた。


皆飽きないな。

アリアも転校初日から大変だな。

他人事であったひまわりは、姿の見えない彼女がいるであろう席を見て思った。



「はっち、はっち!」

ひまわりを呼ぶ声。

この呼び方で彼女を呼ぶのは一人しかいない。


「どうしたの、ひのっち?」


「今日どこか行かない?」


「どこかって?」


「うーん、はっちはどこ行きたい?」

にこにこ。

嬉しそうだ。


「そうだ!久しぶりにひのっちの家に行きたいなぁー?」

ひまわりが言う。


小さい頃は、二人の家を行来し、遊んでいた。

しかし、年齢を重ねて行く毎に、さくらの家に遊びに行く回数が減っていったのだ。

それでも、ひまわりの家にさくらが行くことは多くなっていったのだ。


久しぶりにさくらの家に行ってみたい。

ひまわりはなんとなくそう考えたのだった。


ひまわりの言葉を聞いた瞬間、さくらの表情が

、面白いくらいに変化した。

幸せそうな微笑みをしていた。

それが、この世の終わりのように、目を見開き口をあんぐりと開いている。

顔色も、血色の良かった肌色が、深海のような真っ青になっていた。


「い、いいいいいいいいいや、やめ、やめやややや止めておこ?ね?ね?ね!?どこか遊びに行こ?ね?奢るから!全部!私が!奢るからっ!」


「壊れたロボットみたい。」

正直な感想がひまわりの口から溢れた。


慌てっぷりが異常であった。


「えへへ……。……ふーん。」

そんなさくらを見ているひまわり。

彼女の中に眠っていた悪戯心が目を覚ました。

次章

4ー3

2018年10月6日

投稿予定。

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