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再三再四。  作者: うさブルー
scene
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1/9

chapter1


 

 隣の席のあなたは、クラスの中では目立つ方で、所謂地位の高いグループの一人。

 グループは男子数人と女子数人で構成されていて、授業中は何か手紙を交換したり携帯で連絡を取り合ったり、休み時間は楽しそうに話をしているのがよく目につく。

 対する私は、教室の隅で読書をしている方が落ち着くような、そんな裏方の人間。私があなたを羨むのは、教室の隅の席を取られたからであって、顔が広いからではないのだ。

 だから、あなたのことは、どちらかと言えば「嫌い」な部類になる。

 そうやって充実した日々を送る人たちは、テストででも失敗すればいいと思っていた。


 そんな冬の日の出来事。

 教室を出ようとドアを跨いだら、その先から急に飛び出してきたあなたと、私は衝突した。衝突して、私はしばらくあなたの下敷きになった。その間、私はあなたとトラバーチンを交互に見て、ゲシュタルト崩壊しそうだった。

「こういうの漫画でよくあるな」と思った。私とて漫画を読まないわけではない。

 漫画だと、そこから恋愛に発展するというのが鉄板の流れ、と言いたいところだけれど最近はそうでもないのかもしれない。使い古されていて愚昧だとか揶揄されるかもわからない。

 私の場合、そんなことを論じるまでも無かったけれど。


「あの。そろそろ退けてくれませんか?」


「え、あ、うん……ごめんね! 怪我とか無かった?」


 スカートの丈が短い人は、往々にして横暴だと思っていたから、あなたのその反応は意外だった。だからなに、ということもないけれど。


「大丈夫です」


「そっか。それならよかった」


 それは私も言うべき言葉なのだろうけれど、どちらかと言えば「嫌い」な相手であるために、ばつが悪い――以前に、私は溜息が出る程の人見知りだった。


「ホントごめんね。乗っかるつもりはなかったよ」


「いえ。私は大丈夫なので、気にしないでください。私、化学なので、急ぎます」


「あ、そうだったね……っていうか同じクラスだからわたしもか。準備してこないと」


 五分前予鈴が先刻に鳴ったから、今から実験プリント類を準備していたら確実に遅刻してしまう。それも私のせいで。私はあなたのように運動ができるわけもないから、それを吹聴されれば確実に内申に響く。そう思っただけの、至極単純な話。



「私の教科書、一緒に見ますか?」


 

℗Love It's Blue Presents

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