時空を超えて
私はこの日いつも通りに終わると思っていた。
私は家で一人暮らしをしている。両親はもう他界している、他界しているといっても私の歳は20歳、まだまだ現役。
ピンポーン ピンポーン
チャイムが鳴った。
「はーい!今出まーす!」 ガチャッ
「どなたですか?」
お客さんは綺麗な女の人だった、歳は私と同じくらいかな?
「姉さん久しぶりー‼︎」
「?」
「やっと見つけた!」
「え…?どなた?」
女の人は私を知っている口ぶりだったが私はまったく知らなかった、こんな知り合いいたっけ?
「そっか……改めて私の名前は…ポチって呼んで!」
「あなたはだれ?」
「ルル姉さんの親戚よ」
私の親戚?また思考の世界に入ろうとしたら電話が鳴った
ジリリリリ ジリリリリ
「あっ、ちょっと待っててねー!」
自分でも無用心だと思う、けど自分でもあの人を知ってる気がしたんだ。
ガチャッ 「もしもし?どなたですか?」
「あなたのおばあちゃんですよ」
「おばあちゃん!元気そうだね」
「親戚のポチと言う子が来てなかったかい?」
「来てたよ?あの人誰?」
「………親戚の子なの、あの人が帰るまで面倒みてあげて、お金はすぐ入るから 」 ガチャッ
「えっ⁉︎もしもし?」
なんか一方的に電話切られたんですけど…
あっ、あの子本当に親戚の子だったんだ!悪いことしたな
「ごめん、本当に親戚だったんだね」
「やっと分かってくれた?ルル姉さん」
「ポチでいいのよね、部屋に入ってて、お茶でも入れるわ」
少し怪しいけどおばあちゃんも言ってたし大丈夫よね
「ありがとう、姉さん」
私はポチが少しおかしいと感じていた。
時折寂しそうな顔をするのだ。
それにポチと言う名前に覚えがあった。
「あっ!」 お茶いれなくちゃ!
「姉さんは今何してるの?」
「私?私は今女優になる為に頑張ってるんだ」
「夢を持ってるんだ」
「うん‼︎すごく楽しいよ、ポチはなにか夢はないの?」
「私はね…ううん、姉さんお茶ちょーだい!」
「けっこう図々しいのね」
「えへへ」
「フフフ、はい!お茶」
「ありがとう、姉さん私7日経ったら戻るわ」
「家に?もーちょっと居ればいいのに」
私はなんだかポチをすごくら懐かしく感じた
「戻らないといけないんだ…」
私はこれ以上彼女の事情に踏み込んではいけない気がした
「そう、じゃあ一週間ゆっくりしてって」
「うん!」
あっという間に過ぎた、
色々大変だったけど…というかお皿何枚も破られたんですけど…
「姉さんお世話になりました、あとお願いがあるの」
「なに?私が出来ることならなんでも言って」
「私を迎えにきてね」
「へ?」
「どういうこと?あれっ⁉︎ポチ⁉︎」
ポチはいきなり帰ってしまった、というか迎えに来てってなに?
ジリリリリ ジリリリリ
なんかこれ前もあったなーとら思いつつ電話を、取りに行った、前はおばあちゃんが出たんだっけ
「もしもし、どなたですか?」
「ルル⁉︎おばあちゃんが亡くなったわ‼︎」
「え…?おばあちゃんが?」
「交通事故でね、今さっき…、けどね遺書があったの不思議ねこれから死ぬと分かっているようにテーブルの上に置いてあったのよ」
「なんて書いてあったの?」
「ポチ丸を迎えに来てって」
「‼︎」 ポチ丸は私が子供の頃から飼っていた犬だ、けれど3年前に亡くなってしまった。
私はポチ丸が亡くなっても会いに行けなかった、
ずっと一緒になんて言っておいて一人暮らしをしてしまった私。
合わせる顔がなかった、
ポチもポチ丸のことを伝えに来てくれたのかな?
だからポチって呼んでって言ったのかな?
「じゃあすぐ帰るから」
ガチャッ!
ポチ丸ごめんね、ポチありがとう、おばあちゃんもありがとう
すぐ帰ろうと思い帰り支度を私は始めた、ふとテーブルの上を見るルル様へ ポチよりと書かれた手紙があった
7日も世話になってごめんなさい
そしてありがとう
あとねポチ丸はあなたのこと全然恨んでないから
安心してね。
姉さんと少しでも生活できて楽しかった
P.S傘ありがとう
傘?どうしてポチが知ってるんだろう、傘は捨てられて段ボールに入っていたポチ丸に雨よけにあげたのだ、けれど一時間後に拾ったのだけど…
ああ、あなたはポチ丸だったんだね
私は涙を大量に流し実家に帰るべくドアを開けた
私の夢はなかったけれど私は幸せだったよと伝えたかったんだ
私の