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名もなき剣に、雪が降る ― 新選組異録

作者:林涼子
名を刻む者が歴史を残す。
ならば、名を消す者は――何を遺せるのか。

幕末、京の町を震わせた新選組。
池田屋事件、禁門の変、鳥羽伏見、箱館戦争。
そこに確かに存在しながら、史書には残されなかった二人の影がいた。

一人は、白布をまとい、剣鬼のごとく裏任務を担った 沖田静。
表に立つ沖田総司の「影」として、血に濡れた仕事を果たし続ける。

もう一人は、名を求めながらもその名を奪われ、
それでも静の背に寄り添うことを選んだ 矢野蓮。
「背を預けられるのは二人だけだ」という言葉を胸に、
迷いと痛みに揺れながら、ただ隣に立ち続けた。

時代は彼らを照らさず、
勝者の記録に名を残すことも許さなかった。
けれど、雪に染まった大地に刻まれた影の呼吸は、
確かに誰かの心に届き続ける。

名を遺さぬ者として散った二人。
しかし、その無名こそが永遠を証す――。

涙と静謐に包まれた、もうひとつの新選組異録。

・・・

登場人物一覧

沖田 静(おきた・しずか)
白布をまとう剣士。沖田総司の「影」として存在し、史書には名を残さない。冷徹さと残酷さの裏に、ただ「背を預ける者」への忠義だけを生きる。

矢野 蓮(やの・れん)
流浪の青年。名を刻みたいと願いながらも、静と共に影の道を選ぶ。迷いや人間らしい弱さを抱えつつも、最後まで静の隣で剣を振るう。

沖田 総司(おきた・そうじ)
新選組一番隊組長。剣の天才であるが労咳に蝕まれ、次第に影としての静にその背を委ねていく。光と影の対比の象徴。

近藤 勇(こんどう・いさみ)
新選組局長。理想を掲げ、幕末動乱を駆け抜ける。静と蓮を「裏任務」に用いるが、その存在は記録に残さない。

土方 歳三(ひじかた・としぞう)
副長。冷徹に規律を保ち、戦の采配を揮う。静と蓮を「影」として扱い、名を消すことに意味を見出させた人物。

山南 敬助(やまなみ・けいすけ)
新選組総長。理知的で温厚だが、血に染まる組に耐えられず脱走、切腹。蓮に「名を消すことの残酷さ」を刻む。

榎本 武揚(えのもと・たけあき)
旧幕府海軍出身。函館に「蝦夷共和国」を打ち立てるが、短命に終わる。敗者の象徴として物語に重さを添える。

土方配下の隊士たち
名を残すことなく散った者たち。記録には現れないが、静と蓮の背を預け合う戦場を形作った。
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2025/09/23 15:44
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