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01.目上の人には変な口出しはしない方が良い(1)

「あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……」


「……これはやらかしたなあ~~~~~~~~……」


そう。


俺はどう考えてもやらかしてしまった。


それは高校入学初日の自己紹介で喋りすぎてクラスメイトに引かれてしまうような。


また、マンガや小説の1話目冒頭でどうでもいい自分語りを長々と喋ってしまうような。


そんな一歩目の盛大な躓き(つまず)をかましてしまったということである。


この物語が始まる前に、一旦その躓き(つまず)について話しておこうと思う。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「――というわけで、あなたは死んでしまったわけです」


「えぇ~~……マジっすか…」


というわけで俺は死んだらしい。


しかも真冬のサウナでととのおうとしたことによるヒートショックで。


多数の人々に迷惑をかけながら、全裸で。


「いやぁ~~……正直恥ずかしい死に方っすね…」


「まあある種流行りに乗った死に方でいいんじゃないですか?」


やかましいわ。


「…であなたが女神で、俺はこれから異世界転生するってことですよね?」


「はい。とどのつまりそういうことです。」


「…本当にあるんすね、こういうタイプの異世界転生」


「最近来た方々はよく言われますね。まあこちらも理解してもらいやすいので助かってますが」


やっぱり言われるんだ…

というか最近来た方々ってことはそれなりの人数同じ目に合ってるんだ…


「というわけで、あなたにはこれから異世界転生をしていただきますので、事前にスキルを授けておきます。」


おお……

こうなってくると楽しみになってきたぞ……!

こういう異世界転生は最初にチートスキルをもらえるのが鉄板パターン……!!

めちゃくちゃ強いチートスキルさえあればどんな異世界であれめちゃくちゃ楽に生活できるはず……!!

ダッセえ死に方でテンションは下がってたけど、こうなるならむしろ願ったり叶ったりだぞ……!!


「あなたに与えるスキルは、【全知全能】(アル・マハト)です。」


全知全能……!どう考えてもチートスキルなのは確定……!!

これは勝った…!!今日サウナに行って本当に良かった……!!


【全知全能】(アル・マハト)……!!それは一体どんなスキルなんですか…!?」


「では【全知全能】(アル・マハト)のスキルについて端的に説明させていただきます。まず、【全知全能】(アル・マハト)によって、あなたはこれから行く異世界のすべての知識を得た状態になります。」


つ、強すぎる…!!あまりにも都合が良すぎるチートスキル…!!

こんなスキルを得てしまったらすでに楽な人生をできるのが確定ッ…!!


「そして、あなたが今までいた世界の知識に関しても同様に全て得た状態になります。」


現代の知識も……!?

あまりにも強すぎる……!!現代知識で無双も可能ってことか……!?


「また、あなたはどんな状況でも即座に最適な答えを出すことができるようになります。」


まるで魔物と共に戦う天才が覚えられるようなスキルだ……!!

ただでさえ知識があるのにそれを最大限活用できるなんて…!!


「また、あなたは相手が持つ魔法や能力をさらに強化された形で再現することができます。」


これも強い…!!

……というか強すぎないか?

なんかこれもどこかで見たことがあるような能力な気がするし……


「それと、あなたは時間の操作ができます。時を戻すこともできますし、時を進めることも、止めることも可能です。」


「いやちょっと待っ」


「それに加えて、あなたは相手の精神を支配することもできます。相手に自分を愛させることも、相手の精神を支配して命を奪うことも可能です。力の応用として相手の記憶を操作することもできますので、相手の記憶を奪うことや、相手の記憶に自らを存在させること、相手に幻覚を見せることも可能です。」


「だからちょっと待っ」


「そしてあなたはありとあらゆる姿に変化することができます。全体を別の生物にすることも一部分だけ変化させることが可能です。変化に制限はないため、霧だろうと液体だろうとどんな姿であろうと変化することは可能ですし、その大きさについても際限はありません。また、これはこの力の副産物ですが、年齢の操作も可能です。複数の生物の能力を組み合わせることも可能ですので、分裂し、自分を複数作り出すこともできます。」


「いやちょっ」


「あとすべてを『なかったこと』にすることができます。これはもう言葉の通りですね。あなたの解釈次第です。あとすべての幸運はあなたに味方します。あとすべての物事に『例外』を後付で設けることができます。その他には世界の書き換えもできますね。あとは――」


「いやちょっと待てや!!!!」


「は?」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そう。


ここで、ツッコむべきではなかったのだ――

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