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国語教本  作者: 家内ツマ
第一章 初陣編
6/14

第6話 違和感の正体

 俺は何かに足を掴まれた。そして、そのまま少女の影に引きずり込まれてしまった。


一方、エーミール班──


 エーミールとシュンタと兵十は光が丘警察署に来ていた。3人は自動ドアを通って受付カウンターへ向かった。受付にはおばさんが座っている。

「おばさん、こんにちは。」

「あら、君たちいらっしゃい。今日はどうしたの?」

「今日も刑事と話をしたくて来ました。」

 エーミールと受付のおばさんが慣れたように会話をする。

「それじゃあ、刑事呼んで来るから。そこで待っててね。」

 萬部はいつも、事件の捜査の依頼を受けると刑事に話を聞きに光が丘警察署に訪れるのだ。

 しばらく待っていると刑事が来た。

「よぉお前ら、また事件の捜査か?」

「はい刑事、例の連続失踪事件についてです。」

「あぁあれな、俺達も今捜査中なんだ。とりあえず、面会室で話そう。」

 そう言うと、刑事は3人を面会室連れて行った。

 エーミールと刑事が話しを始めた。

「それで、今日はどうしたんだ?例の連続失踪事件か。」

「はい、その事件のことについてです。何か情報はありますか?」

「俺達も捜査中なんだが、行方不明者は未だに見つかっていない。」

「今月3日に60代男性、4日に30代女性、6日に40代男性が行方不明なったんですよね。」

「あぁそうだ。」

「6日に行方不明になった40代男性って警察官なんですよね。行方不明になる直前にその人から、警察の無線に何か報告はなかったんですか?」

「あぁ、あったぞ。確か、『4丁目の路地裏で少女を発見、保護します。』とのことだった。」

「だがその後に、悲鳴と共に『助けてくれ』と、無線が入っていた。」

「なるほど、その少女は事件と何か関係があるのでしょうか?」

「わからない、少女の目撃情報もなければ、防犯カメラにも映っていないんだ。」

「そうなんですね、今仲間が現場で捜査しているので、何か分かったら報告します。」

「おぅ、わかった。」

「それでは、今日は失礼します。」

「またな、気をつけろよー。」

 3人を見送った刑事はふと呟いた。

「何であいつらが"あの事"を知っていたんだ…。まさか…!」


 3人は光が丘警察署を後にした。

「それじゃあ、僕達も現場に行ってメロスと戸部くんと合流しようか。」

「部長、その前に分かった事を共有しましょう。」

「そうだね兵十、メロス電話をかけてみるよ。」

 エーミールが電話をかけようとしたその時、依頼人のお婆さんが現れた。

「皆様、捜査お疲れ様です。」

「お婆さんこんにちは、どうかされましたか?」

「実は皆様に用がございまして…。」

「なんでしょう───」

プルルルルルルルルル

 エーミールが口を開いた瞬間、エーミールのスマホに着信が来た。

「あ、すみません電話が。すぐ済ませるので少々お待ち下さい。」

ピッ「はい、もしもし。」

「おいお前ら、今どこにいる!?」

 電話は刑事からだった。

「今2丁目のコンビニの目の前ですが、依頼人のお婆さんとお話してるので、一旦切ってもいいですか?また後でかけ直すので──」

『だったら今すぐそこから逃げろ!あと事件現場に向かった奴らにもそう伝えろ!』」

「え、どうして…?」

 その瞬間、僕は薄々感じていた違和感の正体に気付き始めていた。

『お前、さっき行方不明になった警察官の話しをしたな。』

「えぇ、確かにしました。」

『行方不明者が警察官である情報は世間に公開されてないんだ。だから、一般人のお前らがその情報を知っているはずがないんだ!』

 確かに僕が見たどの記事にも行方不明者の職業は記載されてなかった。

「行方不明になった40代男性が警察官なのは依頼人に聞きました…。」

 そうだ、この情報を知っているのは警察関係者と犯人のみのはずだ。依頼人も一般人なんだから、情報を知る手段はない。つまり…

「依頼人は黒…!」

『そこにいる婆さんは黒だ!』

 電話越しで二人が同時にそう言った。ハッとしたエーミールは依頼人の方を見た。そこに立っていた依頼人は冷たい目で3人を睨んでいた。


to be continued

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