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国語教本  作者: 家内ツマ
第一章 初陣編
5/14

第5話 路地裏の少女

家に帰ってから俺は連続失踪事件について、インターネットで調べてみた。

『──光が丘連続失踪事件──』

 これだ。スマホの画面に出た文字をタップした。そして、画面に表示された記事を読む。


『今月、光が丘で男女3人が立て続けに行方不明になった。行方不明になったのは、60代男性、30代女性、40代男性の3人。防犯カメラの映像などから、全員が夜に暗い路地に入ったところで行方不明になっている事が見受けられる。警察は事件と事故の両面で捜査を───』


 同刻 エーミール宅にて

「これが例の連続失踪事件の記事か…。」

 エーミールは戸部が読んだ記事とは違う、別の記事に目を通した。

『今月3日に60代男性、同じく4日に30代女性、6日に40代男性が行方不明に。』

「60代男性が依頼人の旦那さん、40代男性が依頼人が言っていた警察官の男性、もう一人の30代女性は不明、か。」

 エーミールは記事を見ていたスマホを閉じた。

「妙だな…。」


─翌日─


 俺たち部員は、学校の校門の前に集まった。俺が行った時には、全員来ていた。

「それじゃあ、捜査を始めよう、とりあえず二手に分かれようか。」

 エーミール部長がチーム分けをする。

「僕とシュンタと兵十、メロスと戸部君で行こうか。」

「え、俺が新人の見守り役?」

 メロス先輩は少し面倒くさそうに言った。

「だって、戸部くんと二人きりで話してないのメロスだけだから。」

「あぁ、そうか確かに。わかったよ。」

 メロス先輩は納得したようだ。

「僕たちは警察署に言って警察の話を聞こうと思う。」

「じゃあ、俺らは現場で調査だな。」

「それじゃあ、何かわかったら連絡してね。」

「おうよ。」

 そう言って、俺たちは二手に分かれて調査を始めた。

 移動中に、メロス先輩といろいろ話した。

「メロス先輩は、エーミール先輩と仲良いんですか?」

「おう、アイツとは高1の頃からの付き合いだ。」

「へぇ、いいですね〜。」

「戸部は、なんで萬部に来たんだ?」

「まぁ、やる事も無くて暇だったんで。」

「萬部は結構危ない事も多いから、浅はかな気持ちで入らない方がいいぞ。」

「危ない事…?」

「まぁそれは、また今度話そう。現場に着いたからな。捜査開始だ!」

 俺たちは事件現場で捜査を開始した。事件現場は、繁華街から少し離れた住宅街の路地裏。昼でも結構暗い。きっと夜は真っ暗で何も見えないのだろう。この路地裏の少し手前に、防犯カメラが1台設置してある。行方不明者はこの防犯カメラの映像に映ったのを最後に消息を絶っているそうだ。この路地裏を抜けた先にも防犯カメラがある。そちらの防犯カメラには行方不明者が映っていない。つまり、この路地裏で何かあった事になる。

 そんな事を考えながら路地裏を歩いていると、1人の少女が立っていた。14歳くらいだろうか。頭には防災頭巾を被っている。この路地裏は誰もいないし、何もない。なんでこんな所で突っ立ってるんだろう?俺は放っておけなかったから、話かけてみる事にした。

「君、こんな所で何してるの?」

 少女は俺を見上げるだけで、何も言わない。俺は困ってしばらく立ち尽くしていた。すると突然──

「うああっ!?」

 俺は何かに足を掴まれた。そして、そのまま少女の影に引きずり込まれてしまった。


to be continued

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