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嘘か誠か

防人「賭場が冷めちゃうからね、2人はこれから先敬語禁止!なんせ、勝てば自分の分の労働をの1ヶ月余計に強いる相手なんだよ?敬意なんて払っていられるか」


天沼(たしかに。坂倉さん、とか言ったか。この人には悪いが、ここでの暮らしのためだ。蹴落としていくしかない)


天沼「この人もそう言ってるんだし、そういう訳で、悪いけど俺はタメ口で話す。」


坂倉「は、はぁ。でもそうするしかないのか。分かった、僕もそうする。恨みっこなしと言ったんだ、お互いやるしかない。」


防人「その意気だ2人とも」


広場に向かって


防人「さあ、『ワークマンズハンドサイン』スタートです!2人は席について、合図に合わせて板で相手に見えないように手を出して下さいね?!」


2人は席につく。刺激を与えると言われてから、何から何まで流れに乗ってきたがようやく自分の手で自分の道を決められる。天沼はそんな気がした。


防人「それじゃあ一手目いきましょう、ジャンケンポン!!」


坂倉と天沼はパーを出した。当然だ、勝った時のアドバンテージが1番大きい。しかし問題はここから。お互い、最初はパーであるというのは理解している。しかしそれを読んでチョキを出すこともできるが、さらにそれを読んでグーを出すべきかもしれない。またさらにそれを読むのなら、手は変えない方がいい。そんな思考を巡らせていると、司会の防人が口を開く。


防人「2人の手はご覧の通り!ま、2人には相手の手は見えませんが。さてここからシンキングタイム!30秒間探り合ってください?!」


天沼「俺は、チョキを出した。」


天沼は嘘をつく。駆け引きの開始だ。


坂倉「僕もチョキを出した。」


坂倉も応戦する。もちろん、お互い相手の言葉が嘘か誠か分かっていない。だが、これでもしグーに変えてくれればラッキー。そう思っていた。


天沼「なら俺はグーに変える。」


坂倉「であればパーに変えた方がいいかな。でもそれを読んでチョキにされるかも。やっぱりここはチョキのままにする。」


坂倉はカマをかける。と同時に、坂倉は手をチョキに変える。


天沼「チョキにしたままなら、俺はグーのままにする。少しでも勝ちは勝ちさ。」


天沼はパーのまま勝負をする。


防人「30秒が経過しました!2人とも手はそのまま上に挙げて、いざ勝負!」


坂倉チョキVS天沼パー


初戦は坂倉が勝った。


防人「初戦は、坂倉の勝ちだ!チョキで勝ったためチップは2枚減ります。少し勝利に近づいたがまだまだ序盤、28枚と30枚ではまだ僅差か?さあ次の勝負だ!」


坂倉「ホッ、、、」


坂倉は胸を撫で下ろす。天沼はあまり焦りを感じなかった。


天沼(負けた、のか。でも司会の防人が言う通り、まだ序盤。勝負はここからだ。)


2人の心持ちをよそに、賭場の観客たちがヒソヒソと話をする。


客1「坂倉が勝ったか、このまま勝ち続けてくれ。」


客2「天沼は最初から手を変えなかったな。中々に豪胆ではないか?」


客1「しかし負けは負けだ。」


客2「ここから逆転を狙えるのがこのゲームの醍醐味でしょう?天沼に勝ってもらわないと。」


客3「天沼の勝ちに500万。」


客1、2「は????」


防人「皆さん、そろそろベットを締め切ります!今の勝負で最終的な勝敗を見極められるでしょうか!締め切りまで3、2、1、、ベット終了!」


坂倉「あの〜、これは一体」


防人「優秀な人材の選別という話はしましたね?ここではギャンブルを兼ねて、皆さんに入国した者達を審査してもらっている。賭場にいる皆さんはあなた達の勝敗にベットし、予想が的中したら賭け金と同額を賞金として受け取れる。もちろん外れたら我々が回収。より高額なベットを受け、尚且つ勝利する者ほど優秀な人材という訳だ。」


天沼「つまり、入国者の目標はこのギャンブルで勝つこと、そして今の初戦の駆け引きでいかに高額のベットをしてもらえるか。という事ですか。先に教えてほしい情報です!」


防人「これもルールなのでね。初戦が終わるまで説明しない。説明を受ける前後での立ち回りの違いを皆さんに予想してもらうのも醍醐味でね。」


坂倉「僕たちは見世物なのか?」


天沼「坂倉、今さら何を言っても俺達には変えられない。勝負するしかないみたいだ。」


防人「天沼は理解が早くて助かる!坂倉、あなたはリードしているんだから余裕を持って戦おう?!さあ気を取り直して2回戦目!ジャンケンポン!!」


天沼はグーを出した。


天沼(しまった、つい癖でグーを出した。俺はいつも咄嗟にグーを出す癖があるんだった。これじゃ勝っても追いつけないじゃないか。)


坂倉「僕はチョキを出した。君はパーで勝ちたいと思って、それに勝つために。」


天沼「なら良かった、俺はグーを出した。」


坂倉「では、パーに変えなければ。」


天沼「ならチョキに変えよう。」


天沼はチョキに変えた。


坂倉「そしたら僕はグーにする。」


防人「シンキングタイム終了!さあ2人ともそのまま手を挙げて、勝負!」


天沼チョキVS坂倉グー


天沼(また負けた。どうしたら勝てるんだ?)


坂倉は再び胸を撫で下ろす。

次回【視野を広げて】

2024/7/18/12:00投稿予定

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