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初めての夜

「みなさん、ご無事ですか?」


「はい。大丈夫です。冒険者の方々ですか?あ、ありがとうございます。」


「いいえ、セルジオスさんの依頼で来ただけですから、セルジオスさんにお礼言ってください。」


「オークの落とした武器は、村の自衛のために使ってくださいね。」と、オークの討伐証明部位が判らないのでオークたちの死体だけを【無限収納】に収め、お礼の宴をしたいという村人をよそに僕たちはさっさとテッサロニキに帰った。



 テッサロニキの冒険者ギルドまで帰ってくると、もう日が完全に落ちてるというのにセルジオスさんが待っていた。


「あぁ、パリスさん、無事でしたか。良かった。あの5人がオークキングがいると逃げ帰ってきたので心配してました。改めてギルドに正式に依頼を出しましたので…」


「セルジオスさん、そのオークキング、倒してきました。村の人たちも何人か怪我してましたけど、みなさん無事みたいです。」


「え?オークキングを倒したというのは、ほ、本当ですか?」とギルドの受付嬢が割り込んでくる。


「オークキングが居るとなると、それなりの冒険者パーティーでないと難しいというのに。」


「あ、はい。夜目が利くもので。暗闇から上手く攻撃できました。あ、そうそう、オークの討伐証明部位が分からなかったのでそのまま持ってきたんですけど、ここに出していいですか?」


「え?あ、アイテムバックをお持ちでしたか。凄いですね。ではこちらに出してください。」


「では、オークが8匹とオークキングが1匹です。」


 受付のお姉さんは「随分、大容量のアイテムバックをお持ちなんですね。奪われないように気を付けてくださいね。」と僕にアドバイスをし、獲物の鑑定士を呼んだ。


「ふむふむ。たしかにこれはオークキングですね。それもなかなかの大きさです。」


「今回、オークキングの情報がなかったので普通のオーク討伐依頼扱いになってしまいますが、既にオーク討伐の緊急依頼が発動されてますので事前の依頼手続きは必要はありません。よって依頼達成を認めます。


 依頼の報酬は通常のオーク討伐依頼扱いになってしまっていますので規定により安くなってしまいます。ギルドの手数料を引かせていただきますので金貨8枚になります。それからオークキングとオークの肉は食用になりますので買い取れますけどどうしますか?報酬が安くなっている分、色を付けさせていただきます。」


「じゃぁ、買い取ってください。僕たちでは精肉にするのは無理そうなので。」


「わかりました。ではオークキングが金貨10枚、オークが銀貨50枚づつ8匹で金貨が4枚になります。」

「ありがとうございます。」



 ギルドを出た僕たちは今晩の宿を探すが、もうとっくに日が暮れていたこともあって安宿はほとんど埋まっていた。


「ここなら、まだ空きがあるのではないでしょうか?」


「随分、高級そうな宿だけど背に腹は代えられないね。」と僕たちは夜でも建物の外でレアアイテムとおもわしきランプの明かりが灯る高級そうな宿に入った。


「お、お客様、大変失礼ですが、この宿は高級宿でして、その…」


「あの、お金ならありますけど。」


「いえ、そう言うわけでは。」と僕たちの姿を見る。


 たしかに汚れが付かないアプロディーテはともかく、僕はオークの返り血を大量に浴びてしまっている。



「すみません。オークキングを退治してきた後で…」


「オークキング!もしかして冒険者の方でしたか。」


「はい。」と冒険者カードを見せる。


「これは大変失礼しました。」



 何やら凄腕の冒険者と思われたのか、急に態度が変わり、空いていた部屋に案内された。

 さすが冒険者の町というところだろうか?この町では凄腕の冒険者になると特別待遇なのだろう。


 部屋に案内された僕らは部屋を見渡した。さすが高級宿は違う。風呂がついている。


「アプロディーテ、先にお風呂入って。体が汚れなくてもリラックスできるから。その間に僕は剣の手入れしておくよ。」


「では、お先に失礼します。」


 オークとの戦いで汚れた剣の汚れを丁寧にふき取り、あぁ、アプロディーテの柔肌がシャワーの水を弾く音…おっと。刃物を扱ってるんだった。集中して油を塗って…ゴシゴシ


 防具も返り血や汚れをふきふき取り、あぁ、お湯があふれる音がする…アプロディーテが湯舟に使ってるのかな。おっと。油を塗って…ゴシゴシ


 アプロディーテの防具も、汚れをふきふき取り、あぁ、今この中身が湯気の中に…おっと。いかんいかん!油を塗って…ゴシゴシ。



 何十分位たったのだろう。


「パリスさま。お先にお風呂いただきましたぁ~」と声がしたので振り返ると、そこにはバスタオルだけを身にまとい、濡れた髪をアップにしたアプロディーテの姿があった。


 きーーーん!背筋に電流が流れる。しまった、【絶倫】のバッドスキル持ったままだった。


 (耐えろ!耐えるんだ!俺!)プルプル。


 あ、アプロディーテが、ボディラインがはっきり判るバスタオルだけ巻いた姿で、前かがみに…あ、大きな山の間に谷間が見える…。プルプル。


 あ、バスタオルをもっと上にあげてくれないと、お山の頂点から何かが見えそうです…。何かがはみ出してませんか…。プルプル。


 僕の視線に気が付いたのか、後ろを向いて、バスタオルを上げるアプロディーテ。あ、バスタオル上げすぎてお尻が…。プルプル。


「あの、パ、パリスさま。わたくし、そんなに魅力ありませんか?」

「えっと、その」ともじもじしてしまう僕。


「気づいてらっしゃいますか?わたくし、パリスさまをずっと誘惑してるんですよ。」


「あ、アプロディーテはとても魅力的だよ。いや、あの、その、見た目だけじゃなく、内面も…。でも、ほら、僕ら隷属関係だし…そいういのって…」やはり、前世の倫理観が残ってる僕はもじもじしてしまう。


「お辛いのではありませんか?わたくしの為に、我慢しなくても大丈夫です。まだ出会って間もないですが、一緒に旅をしていてパリスさまをお慕いするようになりました。

 お恥ずかしながらこの年齢にして経験は少ない方ですが、初めてではありませんから遠慮は無用です。

 妊娠が心配であれば、私の【繁殖】スキルでパリスさまの生殖能力を一時的に無効にします。わたくしは女神ですので変な病気にも罹りませんので、安心して抱いてください。」


 僕は勇気をだして、アプロディーテを抱き寄せた。


「優しくお願いします。」


 僕は性欲の高まりに乱暴にしそうになりそうになるのを必死で抑え、【性技】を駆使してアプロディーテを優しく、そして何度も抱いた。


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