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オーク退治

 僕たちが一通り冒険者ギルドの規則について説明を聞いて、礼を言って冒険者ギルドを去ろうとすると、「よ~、ねーちゃん。べっぴんさんじゃね~か。ちょっとこっちに来て酌しろや。」と酔っ払いのおっさん冒険者5人組が絡んできた。


 は~。テンプレな展開だなぁ~と思って【縮地】を使ってアプロディーテと冒険者5人の間に割り込む。


「なんだてめ~は。どこから現れやがった!」「ガキには用はねぇ~んだよ。ママのおっぱいでも飲んで寝てろ!」「なんだ?俺達とやろうってのか!?」

「彼女は僕のつれです。やめてください。」

「うっせーんだよ!そこをどけ!それともぶっ飛ばされたいか?」


 と、一触即発のころで、さっき店の前で別れたセルジオスさんが冒険者ギルドに駆け込んできた。


「はっはっはっ、パ、パリスさん、やはりここにいらっしゃいましたか!」


「どうしました?」


「実は、パリスさんと別れた直後に、私の出身地のシキエス村のものが店に駆け込んでまいりまして、村がオークに襲われているらしいのです。助けて頂けないでしょうか。」


「おい、オークは何匹だ?報酬はいくらだ?」と僕たちに絡んできた酔っ払いのおっさんが割り込んでくる。


「え、あ、10匹程度とのことですので、あの、その金貨10枚でいかがでしょうか?」


「どこの村だ。」


「北隣のシキエスです。」


「片道30分程度だな。よし、その仕事俺たちが受ける。」


 そこに冒険者ギルドの受付の女性が、「ちょっと、冒険者ギルドの受付の前でギルドを通さない仕事の交渉はやめてください!」と声をかける。


「いいじゃね~か。人助けだ。」とだけ言うと、5人は冒険者ギルドを出て行った。



「パリスさま、あの酔っ払い5人では10匹のオーク相手は厳しいかと…」


「僕たちならなんとかなる?」


「パリスさまのスキルをうまく使えば勝算は十分にあるかと。ただオークの様な多少なりとも知性のある魔物が集団行動をする際は、リーダーに率いられている可能性が高いです。オークキングやオークジェネラルが居るかもしれませんので注意は必要です。」


「じゃぁ、こっそりついてって、様子見しながら、彼らの手に負えないようなら考えようか。」



 僕たちは5人と距離を取りながら後を付けるとシキエス村まであと一歩のところで酔っ払い達が逃げてくる。


「ど、どうしたのですか?」


「ばっきゃろー!オークキングがいるじゃねーか!かなうわけないだろ!」



 僕たちは、そっと村に近づき、村の簡易な防御柵の一部になっている茂みの陰から一旦オークたちの様子をうかがう。

 村人たちは捕まり、村の入り口の広場の片隅の一か所に固められて、オーク達は篝火を焚き、食事をしているようだ。


「パリスさま。やはりオークキングが居るので危険です。ここは一旦引き上げるべきではないでしょうか?」


「夕日が沈みかけているから、辺りは暗くなれば【暗視】のある僕に有利だと思うんだ。さらにスキルを奪って混乱してくれたら勝てるんじゃないかな?」


「では、スキルを奪えなければ引き上げましょう。」


「そうだね。オークのスキル教えて。」


「はい、パリスさま。あちらのかがり火のそばのオーク3匹は【剛力】、あちらは【物理無効】と【棒術】、あちらは【槍術】、それから【盾術】に【斧術】…、それからあちらが【HP向上】、あちらが【魔法無効】…、奥にいる一回り大きいオークキングのスキルが、【剛力】に【棒術】、ぜ、【絶倫】に、せ、【性技】…」と言いかけて頬を染めるアプロディーテをよそに、建物の影から片っ端から【スキル移動】を試みた。


 結構離れててもスキルは奪えるもんなんだね。


 ――――――――― ステータス ―――――――――

 名前:パリス 年齢:15歳 種族:人族

 ジョブ:審判

 スキル:

 ・幸運:転生者ボーナス。少し運が良くなる。

 ・裁定 レベルMAX:審判の固有スキル。審判が下した裁定に誰も異を唱えることができなくなる。

 ・索敵 レベル2:羊飼い固有のスキル。

     外敵の存在・大体の位置を察知することができるパッシブスキル。レベル2で200m程度。

 ・回復速度向上 レベル3:HP(体力)MP(マジックポイント)回復のスピードがアップするパッシブスキル。

     レベル3になると眠らなくてもHP・MPが大幅に回復する。

 ・暗視 レベル2:暗闇で物体を見ることができるパッシブスキル。

 ・無限収納:物を無限に収納できる。生きているものは収納できない。

     収納した物の時間は停止する。

 ・スキル移動 レベル2:MPを消費し低い確率で人のスキルを他の者に移動させることができる。

     固有スキルは移動できない。

 ・縮地 レベル2:MPを少し消費し一瞬で移動できる。レベル2だと10m程度が効果の限界。

 ・剣術 レベル2:剣の扱いが上手くなる。

 ・物理無効 レベル1:物理攻撃を一定の割合で無効にするパッシブスキル。レベル1で10%程度。

 ・絶倫 レベル2:HPを激しく消耗する代わりに絶倫になるパッシブスキル。

     性欲が高まりやすくなるバッドスキル。

 ・性技 レベル4:性技がとても上手くなるパッシブスキル。

 装備:

 ・初心者の剣

 ・革の胸当て

 ・冒険者の兜

 ――――――――――――――――――――――――


 あちゃー、【絶倫】はバッドスキルだったか。

 でも、スキルを失ったことに気が付いたオークが混乱している。辺りもだいぶ暗くなった。今ならオークキングが居ても勝てそうだ。


「今だ!行くよ!!」


「はい。パリスさま!」


 アプロディーテが村を囲む柵を越えオークから程よく離れた暗闇に移動する。かがり火のそばにいるオークには彼女の存在は見えない。

 そして暗闇から鞭でかがり火を倒し消す。

 さらに驚くオークの武器を叩き落す。

 そして僕が【縮地】で間を詰めて首を刎ねる。


 オークの混乱に乗じて、アプロディーテが鞭で次々とかがり火を倒し、武器を奪っていく。そして僕は暗がりの中で次々とオークの首を刎ねた。



 そして最後にオークキングが残った。


 【縮地】で間合いを詰め、一気に切りかかるがそこはさすがのオークキング、こん棒で僕の剣を受け止め、【剛力】で弾き飛ばす。

 そして、オークキングのこん棒が僕の肩にたたきつけられる。


 衝撃で吹き飛ばされたが、運よく【物理無効】が発動してノーダメージ。


 オークキングは、暗がり中でもたしかな手ごたえがあったのだろう。しかし僕はノーダメージだ。【縮地】で再び間合いを詰め、大きなオークキングの懐に飛び込む。


 オークキングが驚いている。


 そしてその混乱した隙に間を詰め、オークキングの左胸に剣を突き刺した。そしてオークキングは唸り声をあげながら膝から崩れ落ちた。

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