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お題シリーズ3

傷跡をひらく事が楽しい

作者: リィズ・ブランディシュカ



 傷跡がひらいていく。


 血が流れだして、痛々しい。


 普通なら目をそむけたくなるだろう。


 でも私は、それがいい。


 傷跡をひらくのがやめられない。


 私は笑いながら、言葉の武器を使って傷跡をひらいていく。


「どうして役立たずなのに生きてるの?」


「もう少し頑張ったら?」


「周りの人間に申し訳ないとは思わないの?」


 ひらかれた傷跡は血をだらだらと流れ出し、黴菌が入って膿んで悪化し、ぐちゃぐちゃになって、見るもたえない状態になっていく。


「もうやめて」


「これ以上言わないで」


「お願いだからかまわないで」


 そんなわけにはいかない。


 これ以上楽しい事なんてないもの。


 人の傷跡をひらいて、追い詰める事以上のものは。


「あはははは!」


 だから私は今日も、弱者に罵詈雑言を投げかける。


 いなければ、いなくなったら、存在しないなら。


 探して、追いかけて、つくりだしながら。


 ああ、楽しい。


 なんて素敵な生きがいだろう。


 私はきっと人間ではない。

 なら何かと言われると昆虫が思い浮かぶかしらね。

 だって、人の不幸は蜜の味に感じるもの。



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