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花橘ノストラジア  作者: 東寺 唯
4/5

花橘のストラジア4

まだまだ序章です。

寿々は ふふっ、と笑った。

なんてアナログな、と。


(だって何の力もないし)


ライトノベルで読んだ魔を倒す力もDVDで見た陰陽師みたいな力などないし、漫画の中で祓う清浄な気もない。


(そんな力があったなら)


どうにかなったのか?と寿々はどうにもならない考えを払拭するように足早に廊下を進む。


耳飾りのついた耳が熱を持っていることに気づいた。


(おかげさまで)


幼い頃に祖母から受け継いだ鈴のついた耳飾りのおかげか多少の怪我はあったが命に関わるような人ではないモノには合わなかった。

遭遇したとしても平手打ちで消えた。

今までの経験から闇雲にやった平手打ちがどういう訳か消えたのだ。


(不思議な)


ありがとう、と感謝する。

きっとお守りが効いているのだ、と。


広い校舎を先に進み廊下を曲がると、自販機コーナがあり、カウンターがあった。


そこに座って先程のあんぱんを口にした。


小豆は魔を祓う。

だからだけではないが、進んで摂取している。


「小豆の赤は朱、朱と云えば丹、丹は神社などに使われて」


寿々は苦笑いした。


中学の頃教育実習にきた先生は歴史に詳しく寿々の世界を拡げてくれた。


「鎌倉の頃、鎌倉幕府を興した源頼朝と北条政子の娘大姫と木曾義仲の嫡男義高の非恋」


全くもって興味なかった歴史の話に寿々は嵌ってしまったのだ。

数々のドラマがあって、おもしろい。


知る事が、調べる事が大事と、教えてくれた。


疑問を持ち調べる事、思いを馳せること。


鎌倉時代の歴史を、書物を読んだ。


それだけじゃ飽き足らずその頃の大河ドラマを見た。


漫画も読んでみた。


すごく楽しかった。


心が踊るとはこのことか!と寿々は目の周りが明るく灯されたような気持ちになった。

毎日朝起きて、疲れた瞼が落ちるまでのただ生きていただけの世界がガラリと変わった瞬間!だった。


知りたい、もっと。


そんな欲求を一つ一つ叶える。するとまた知りたいことが出来る。


今回のような人ではないものに遭遇する事はなくならない。


けれど寿々の中では確実に以前と今では違う。


知りたい。



そして今がある。


寿々は今大学生で、民俗学を専攻している。


「おや、また遭遇したのかい?」


掛けられた声に寿々はハッとした。









ありがとうございました

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