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本が薄くなる日

 できました……

 何ができたのか気になりますか? そう! 『薄い本』です!

 え? それはなんだって? よい子の皆は知らなくていいものです。

 テーマはもちろん兄妹、需要をガン無視した小説本です。

 まあ、配る相手もいないんですけどね……というかこんなもの配ったら正気を疑われます。

 それはともかく、(ピー)な要素を入れようかとも思ったのですが、未経験なモノを混ぜるとどんなことになるか分からないのでやめました。

 そして即売会……にはいきません、コレは完全に自己満足のためのモノですから……

 売れちゃったら……? 社会的にやべーですしね……

 悪事千里を走る、闇の中へ葬りましょう、これは私の頭の中に永遠に残るのです……

 デジタルデータを念のためGPGでパックしておきました、もちろん元のファイルはshredできれいさっぱり削除済みです。

 でも……ああ! この妄想の塊を誰かと共有したい!

 ……

「とまあ、そんなわけで持ってきました」

 お兄ちゃんは渋面で私の持ってきた薄い本を見ています、照れるのですが……

「コレを俺に見せてどうしろと……というかほとんど捏造だよな?」

 やだなあ、お兄ちゃんったら……

「大体は事実じゃないですか!?」

「まず相思相愛なの前提の時点で歪んでるからね? ほとんど妄想だよ!?」

「そんな……ひどい……」

 うぅ……いいじゃないですか! 妄想の中でくらいお兄ちゃんとラブラブでも! むしろ現実が追いついていないだけじゃないですか!

「そこはまあ……時流と性癖に合わせて多少の色づけはあるかもしれませんね?」

 多少です多少、決して9割捏造とかしてないです。

「99%くらい捏造はいってない?」

「残りの1%はお兄ちゃんが私を好きという事実でしょうか?」

「ちが……まあいいや……いいか……『絶対に』配布とか考えるなよ?」

「失敬な! 私を露出狂か何かと思ってるんですか!?」

「違うな……もっと悪質な何かだよ! 露出狂って見せるだけだからな?」

 お兄ちゃんは失礼ですね、コレは少し教育的指導が必要です。

「お兄ちゃん、いいですか? 兄妹は愛し合うもの、古事記にもそう書いてある」

「マジで書いてあるんだよなあ……」

 古事記にはそういうことが書いてあるのでこの国の人間としては、兄妹がちょっと行きすぎても問題ない風潮があるはずです……え? ない?

「じゃあお兄ちゃん、私に愛していると言ってくれるまでご飯はお粥のみですね? 言ってくれたら豪勢なご馳走を用意しますのでお覚悟を」

「暴挙だ! 権力の濫用だ!」

「失礼な! 愛の鞭と呼んでください!」

 とまあこんなわけで、翌日には『アイシテル』とすごく棒読みですがお兄ちゃんは私に愛の告白をしてくれたのでした。

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