表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/111

チートをする

 うーん、このチート……

 決して異世界に転生したわけではない、普通にチートをしただけです。


 そう、プログラミングでチート!

 とはいっても不正行為ではなくプログラミング問題にタイトルから問題内容を予想してあらかじめコードを書いておいただけです。


 そしてヤマがモロに当たってわずか数秒で問題をといてしまいました。


「ちょっと申し訳ないなぁ……」


 真面目に問題に取り組んだ人には大変申し訳ないがこういうチーターが上位にいるんだろうなあ……

 いや、私は別に不正をしていたわけではないのですけれど……


 罪悪感が募るのでお兄ちゃんに負の感情を浄化してもらいましょう。


 タントン……

 階段を下りながら考える。

「あのスキルチェック……真面目にやった人も居るんでしょうねえ……」


 運営もタイトルから処理内容が透けて見えるような文にしているのも落ち度だとは思うのだけれど、やはりズルをした感じは消えてくれない。


 Twitterに一つの投稿で全文を載せられる程度のコードで何が分かるのかは謎だが解けない人も居るから問題なのでしょう。


「お兄ちゃん! ちょっとこの問題解いてもらえますか?」


 お兄ちゃんも同じくらいのタイムでコードを書ければ私がそれほどチートではないことになる、詭弁? そんなこと気にしません。


 お兄ちゃんに問題文のコピペを見せるとPCに向いてタンタンとキーボードを打ちはじめました。


 メカニカルキーボードのカタカタ音が部屋に響くこと数十秒……


「これでいいのか?」


 お兄ちゃんが書いたコードは数行で私の物とほとんど変わりませんでした。


「簡単でしたか?」

「と、いうか……問題ですらないような気もするが……言語縛りもないし……」


 私の書いたテスト用シェルスクリプトを実行して結果が正しいことを確かめます。

 全テスト通過『AC』と画面に表示されました。


「さすがですねお兄ちゃん、あっという間に書きましたね!」


 お兄ちゃんもなんで書かされたのか分からず困惑しているようです。

 私はちょっとしたチートをして上位に食い込んだことを打ち明けました。


「まあ……問題の作者が悪いな……」

「そうですか?」

 私は聞き返します。


「いや、このタイトルから実装の仕方が予想できるのはどうかと思うがな……しかもリッチな言語が使えたら簡単すぎるだろ……bfやWhiteSpaceで書けっていわれたらそりゃ悩むけどさ……」


 私は幾分か気分が軽くなりました、しかもお兄ちゃんの書いたコードは私の物とほとんど違いません! これは半分初めての共同作業では!?

「ああそうだ」


 お兄ちゃんが何かを思い出したように言います。


「暇だから解けない問題あったら持ってきてくれ、なんか暇つぶしが欲しい」


 お兄ちゃんはチートをまったく気にしないようです、いいんですかね?


「ま、まあ! 天才の私が解けない問題がもしも、もしも存在していたら持ってきますよ!」


 お兄ちゃんは液晶に向いてコードを書きながら、私に背中越しに手を振りました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ