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あぶく銭の使い道

 マイナポイント……なんに使いますかねぇ……

 とまあ私とお兄ちゃんにマイナポイントという名のばらまきが付与されたわけですが、五千円、びみょう……

 新型PCを買うには余りにも足りない金額ですし、自宅サーバ用にジャンクマシンにLinuxを入れようにもi386のサポート終了でこの値段ではちょっと無理ですし。

「家族会議……しますか」

 バタン

「お兄ちゃん! ご相談があります!」

「なんだよ慌ただしいな」

 私はスマホの画面をお兄ちゃんに見せて聞きます。

「予算はこれだけあります、何が買いたいですか?」

 私は決済アプリの残高画面を見せながらお兄ちゃんに相談しました。

「ふーん……五千円か……」

「二人で一万円です!」

「要するに一人分だとたいしたことないから二人で一緒に買おうってことか?」

「大体あってます」

 ふむ……お兄ちゃんも悩んでいるようですね……

「無難にPCのサプライでも買っときましょうか?」

「それ、言うほど無難か?」

 それはさておき、困りましたね、課金するものが無い。

 先月買いたい物買っちゃったせいでお金を使う先がないです……

「お兄ちゃんは何か買いたいものないんですか? 譲ってあげてもいいんですよ?」

「って言われてもなあ……外出券でも売ってくれ」

「地下帝国でもないのでそんな物はありません」

 まあ冗談はともかく……

「そういえば新しいLinuxディストロをインストールするのにUSBフラッシュが一つ犠牲になりました……」

 悲しい出来事でした、某国の通販でやたら安かったので個人輸入したら一発でBIOSが認識しなくなるダイナミックなできだった。

「お前、もう少し考えてからディストロ入れたら? 何台あってもPCが足りないだろ?」


「いいじゃないですか! 今回のは廃物利用ですよ? ちゃんと軽いやつ選んだんですから!」

 まあ、デスクトップ環境を整えたら大抵重くなるんですけどね……

「はあ……まあいいや、今回は好きに使ってくれ、どのみち俺に大した使い道は無いしな」


 お兄ちゃん、ちょっと投げやりですね、これはなんとかして励ましたいところです!

「じゃあお兄ちゃん! マイクを買うので可愛い妹からのASMRとかどうでしょう?」

「どうでしょうじゃねえよ!? どう考えても悪夢を見るパターンじゃねえか!」

「む、私がお兄ちゃんのために、お兄ちゃんのためだけに採ろうと言ってるんですよ? そこは感激するところじゃないんですか!?」

 お兄ちゃんはわからずやですね……

「冷静に考えてみろ? 俺が始終隣で話しかけてたら眠れないだろ?」

 お兄ちゃんが隣で……いいですねえ……

「ソレは確かに眠れませんが……気持ちはいいのでは?」

 お兄ちゃんが『マジかコイツ……』という目をして私を見ています、はて? 私は何かおかしなことを言ったでしょうか?

「分かった、分かったから自分のために使っていいぞ、だから絶対にASMRはやめろ」

 なんだか釈然としませんがお兄ちゃんの好みに合わなかったということでしょう、残念です……

「しょうがないですね……私が何か買ったらお兄ちゃんにも使わせてあげるのでソレで手打ちってことにしますか……」

 そうして私たちに降って湧いたボーナスは特別なことに使われず消耗していくのでした……

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