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第3話 未知との闘い
「馬・・・ではないな。角があるし・・・」
そんな事を考える暇もなく、モンスターは向かってきた。
サッとホルスターに手をやるが、銃が無くなっていた。
常に携帯しているはずの武器は全て無くなっていたのだ。
一撃目はギリギリでかわせた。
「この後どう闘う。」
「恐らくスピードでは勝てないし、この近辺に武器になりそうな物もない。」
殺し屋を生業にして疾は初めて、「死」を悟った。
タダでは死ねない。
そう覚悟を決め、モンスターに向かい打撃を喰らわす!
しかし、効いてる様子は無くモンスターの角で胸を貫かれ遠くに飛ばされてしまった。
一体どれだけ飛ばされたか・・・
「ぐはっ!!」
地面に落ちた衝撃で骨も内蔵も損傷したようだ。
「俺はこのまま死ぬのか?」
「こんな訳の分からない場所で、訳の分からない奴に・・・」
疾の意識は徐々に薄れていく。
地球では「伝説」「天才」と言われた殺し屋も、未知の生物には歯がたたなかった。
自分の「死」を考えた事は一度もなかった。
「俺が殺した奴らも、こういう感じだったのか。」
死を覚悟し、目を閉じたその時
「力が欲しいか?」
どこからか声が聞こえた。