僕が乗っ取る君のカラダ。
僕には、カラダがない!
まるで、魂のように彷徨っているだけだ、、、!
でも、こんな僕にも考えがある!
乗っ取りたいカラダがあるからだ、、、!
彼の名前は、『尾道 慎矢』17歳、高校2年生で生きる事に
興味がないらしい、、、。
どうやら、、、?
【親の愛情】とやらを知らないようだ、、、!
だから? 生きる事に興味がないのか、、、?
僕には、よく分からない事だ、、、!
そんなに、生きる事に興味がないなら、、、?
彼に条件をつけて、彼のカラダを乗っ取ってやろうと思う、、、!!!
▽
彼は、学校帰りによく行く公園のベンチに座っていたんだ、、、!
そして、僕が彼の耳もとで、こう、囁いたんだよ、、、!
『ビックリしないで、聞いてほしいんだ、、、!』
『えぇ!?』
『・・・君は、凄く落ち着いているだね!』
『まあね、きみは、、、?』
『僕は、カラダを持たない魂みたいなモノさ~』
『ふーん、それで、俺に何のようだい、、、?』
『そんなに、生きる事に興味がないなら、、、? 僕にそのカラダを貸して
くれないか、、、? 1週間でいいんだ! もし、、、? 1週間後、君が
このカラダを要らないとまだ! 思っているなら、、、? 僕にくれないか?
いいだろう、、、?』
『きみは、俺のカラダが欲しいのか、、、? じゃあ! 何か? その間に
俺が満足できるモノと交換だな、、、!』
『・・・君は何が、お望みかな?』
『俺に、親の愛情をくれ! 1週間あるなら、、、? それぐらいの事は
出来るんだろう、、、!』
『まあ~いいだろう! 1週間、思う存分! 【親の愛情】を感じるがイイ~!』
『ありがとう!』
『では、今から【交換】するぞ~! いいな!』
『あぁ!』
『目を閉じて、3つ数えろ!』
『分かった!』
【1】
【2】
【3】
数を3つ数えて、目を開けると、、、?
俺は、自分のカラダから抜け出ていたんだ、、、!
『じゃあ~お望み通り! 1週間分の親の愛情を君に見させてあげるよ!』
『・・・あぁ、』
そう言うと、、、?
俺は、はじめて両親が出会うところから、、、。
映画のように映し出されたスクリーンを黙って座って見ていたんだ、、、。
僕は、また彼の耳元で、こう呟いたんだよ、、、!
『たくさん、親の愛情を感じるんだな~!』
彼は、、、【うん】と頷いた。
▼
僕は、彼のカラダを手にして、、、!
なんて! 素晴らしいんだ~!
カラダがある事がこんなに素晴らしいとは、、、?
さあ~今から何をするかな、、、?
取りあえず、変わった事をするのは危険だ、、、!
元の彼が今までやっていたことを、そのまましよう!
僕は、彼の家に帰ると、、、?
夜、PM21:00と言うのに、、、。
家には、誰もいなかったんだ、、、!
僕は、電気を付けてテーブルに行くと、、、?
少し冷めた晩御飯が、サランラップに包まれて置いてあったんだ。
『なんだよ! 一応、晩ご飯は作って置いてあるじゃないか、、、?』
僕は、ご飯とおかずをチンして、テーブルで一人で食べていたんだ、、、!
『彼は、一体!? 何が不満なんだと言うんだ、、、! 親なんかいなくても
生きていくのに興味がないなんて! 思う訳がない!!! 僕は僕だ! 誰に
も左右される訳がない! 元から、いないモノだと考えれば、ご飯を作って置
いてくれているだけでも、幸せな事だろう、、、!』
僕が、晩ご飯を食べている途中で、オヤジさんが返って来たんだ、、、!
『慎矢! 勉強はしたのか?』
『あぁ、したよ! ご飯を食べたら? 風呂に入るから!』
『あぁ! お母さんは、、、?』
『仕事じゃないの?』
『そうか!』
『うん! じゃ、』
*
オヤジさんと大した会話をする訳でもなく、、、。
僕はご飯を食べて、お風呂に入り自分の部屋に行った。
『これが! 生きているという事か? 食べ物を口にしたのは、、、? どれ
ぐらいぶりだろう、、、? 味覚が喜んでいる! それにお風呂の中は気持ち
がいい! そして、布団で寝れる事が、こんなにも幸せとは、、、? 彼は?
ただの、“贅沢者”なのか、、、!?』
*
次の日の朝、、、。
僕が起きると、、、?
また、誰もいなかった、、、。
テーブルには、朝食と置手紙が置いてあったんだ、、、!
『慎矢! ちゃんと、朝起きれたの? 朝ごはんは、作ってテーブルに置いて
あります! しっかりご飯を食べて、学校に行くのよ! 母より。』
・・・そう書かれてあった。
なんて! 幸せ者なのか? ちゃんと、愛されてる事に気づいてないなんて!
可哀想な子だな、、、。
僕は、朝ごはんを食べて、学校に向かった、、、。
学校での彼は、決して目立つタイプじゃないようだ、、、!
でも、彼と仲がいい男友達が1人いる、、、!
彼の名前は、『河野 大樹』 同じクラスの男の子だ、、、!
『なあ~今日、学校が終わったら、、、? 一緒に遊びに行こうぜ~!』
『あぁ、いいよ!』
『ホント、、、!?』
『なんで、そんなにビックリしてんの?』
『だって! 慎矢、オレが誘っても、直ぐに断るから!』
『あぁ、そうだっけ?』
『そうだよ~! でも、なんか? 今日の慎矢いいな~!』
『それ? なんだよ!』
僕と大樹は、学校が終わると一緒に遊びに行ったんだ、、、!
【やっぱり、友達っていいな~ 彼は友達もいるのに、、、? なんで、一緒に
遊びに行ったりしないんだ、、、? 僕には、まったく分からん!!!】
▽
こうして、1週間が過ぎていった...。
そして、僕は彼に聞いてみた、、、?
『どうする? 僕にこのカラダをくれる気になったかい、、、?』
『・・・俺は、勘違いをしていたのかもしれないな、、、!』
『えぇ!?』
『親の愛情を感じる事が出来なかったのは、俺の方だったんだ、、、!
たくさん今でも両親は俺に愛情を与えてくれているのに、俺が気づこうと
しなかっただけだった事を、、、今更、気づくなんて...。』
『でも、気づいたんだね!』
『・・・あぁ、』
『じゃあ、僕にこのカラダを渡す気はないんだな!』
『・・・ごめん。』
『まあ、いいよ! 何かに気づく事も大事だ! 僕は“死神でも悪魔でもない!”
無理矢理、君からこのカラダを奪うことなんかしないよ!』
『・・・ありがとう!』
『じゃあ~元に戻すよ!』
『うん!』
『目を閉じて、3つ数えるんだ!』
『あぁ!』
【1】
【2】
【3】
僕たちは、元に戻ったんだ、、、!
『じゃあな!』
『あぁ!』
僕は、またこうして魂のような状態で彷徨っていく。
最後までお読みいただきありがとうございます。




