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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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64 角煮干しの効果実験

 このパンはブライス君とローファスさんのものだからね。

 お昼に私はキリカちゃんとカーツ君と一緒に食べるんだから。

 あとは大きな葉っぱにくるんで布で包めば完成ね。

「うわー、すごいの。パンじゃないみたい」

 キリカちゃんが来た。

「お昼に一緒に作ろうね」

「うんっ!キリカね、お料理大好きなのっ!焼きおにぎりも上手にできたよ!」

 キリカちゃんに手を引かれてテーブルに着く。

 皆はすでに着席していて、目の前に形が不揃いの焼きおにぎりの乗った皿があった。

「では、ステータスオープン、醤油を使った焼きおにぎりは防御力アップの効果があるはずです。いただきましょう」

 ブライス君が焼きおにぎりを食べる。

「ステータスオープン」

 続いてカーツ君、ローファスさん、キリカちゃんもそれぞれが自分で作った焼きおにぎりを食べた。

「上がっていますが、+1ですね。効果はユーリさんの10分の一です」

 ローファスさんとカーツ君が頷いた。

「俺もだー」

「あー、キリカね、プラス2になったよ」

「え?プラス2?キリカの作った焼きおにぎりを食べてもいいですか?」

 ブライス君がキリカちゃんの焼きおにぎりを食べる。

「確かに、プラス2ですね……。昨日はローファスさんが1割程度の上昇だと言っていたのは、間違いだった?」

「間違いじゃないぞ、確かに1割だった。もしかして、キリカだけが作るのが2回目だからじゃないのか?」

「もしかして、スキルレベルかなんか上がった?繰り返し作れば効果の高い料理が作れるってことか?」

 へー。そうなんだ。

「本当?じゃぁ、キリカもっといっぱい料理作るんだ!ユーリお姉ちゃん教えてね!」

「ええ。もちろんよ。働かざる者食うべからずだからね。一緒に料理作りましょうね」

「俺も、俺も料理する!」

「そうだね。カーツくんも一緒に料理しようね」

 目の前には、4人が作った焼きおにぎりが一つづつおいてある。

 私のためにみんなが作ってくれたんだ。

「じゃぁ、私もいただくね。ステータスオープン、あ!」

「あ?どうした?」

 えーっと、いろいろな項目にプラス補正値とかついてる。

「もう、防御力はプラス8になってる……」

 なんで?

 何か食べたっけ?

「あ!角煮の一夜干しが、どんな味なのか確認のために一口食べたんだ!」

 つまみ食いはいけませんといっておきながら、恥ずかしい。忘れてた。

 でも、あれはどんな料理に合わせればいいのか考えるための味見だから仕方ないよね。

「え?角煮ではプラス10になるはずじゃ……それがプラス8?」

 ブライス君が席を立ち、一夜干しの角煮を一つ手にして食べた。

「確かにプラス8ですね」

 それから、今度はたっぷりと味が染みた角煮を鍋から一つ取り、食べた。

「プラス10です……この違いはいったい?」

 ブライス君が考え込んだ。

「え?一夜干しにしちゃうと効果が落ちるの?時間がたったからじゃないよね?時間なら鍋の角煮も同じだけ時間がたったんだもん。違いと言えば、干して水分が飛んだくらい?」

 ローファスさんも席を立ち、鍋から熱々の角煮を皿に載せる。

 あれ?ローファスさんにしては、盛り方が少ないなと思ったら、皿をカーツ君の前に置いた。

 それから、次にキリカちゃんの前。

「まぁ、まずは食べようぜ。謎が多いのなんて今に始まったことじゃないんだ。その一夜干ししたのも、さらに干したらどうなるかも確認しないと何とも言えないしな。明日になったらプラス6になってるかもしれない。逆に10日たっても1年たってもプラス8のままなら、すごいぞ。保存ができるんだからな」

「そうですね、すごいこと、ですね……」

 ブライス君の視線が、宙を見ている。ステータス画面を見ているのだろう。

「初級ポーションと初級MPポーションを使ったとは思えない速さで、HPもMPも回復している。そんな食べ物が欲しいときにすぐに手に入って食べられるのなら……本当にすごいことです」

「だなぁ。ポーションってなんだかんだ言ってかさばるから持っていける量にも限りがあるけど、干し肉一つかじればこんだけの効果があるんだからなぁ……持ち運べる量も格段と増える」

 というブライス君とローファスさんの話に、カーツ君が水を差した。

「ダメみたいだよ、今食べたら、プラス7しか効果ない。このままのスピードで効果が落ちるんなら、無理だよね?」

 ふっとブライス君とローファスさんが笑った。

「そう、うまい話はないか」

「そうですね。料理は出来立てがおいしいのと同じかもしれませんね。出来立ての状態から離れると効果がなくなっていくとか……」

「ということは、出来立てのおいしい状態を長い時間保存できれば効果は続くってことかな?」

 うーん。じゃぁ、やっぱり冷蔵個があれば!冷凍保存できたら!

 他に何か保存方法なかったっけ?


ご覧いただきありがとうございます。


感想、いつも楽しんで読んでます!ありがとうございます!なかなか返信できなくて申し訳ありません。返信する内容がネタバレになることもあり、返せないこともあって、そこだけ飛ばすのも不自然だし……にゅーん……溜まってしまったから全部に返すのも難しいしっていうことで、どんどん返信できないまま時がたってしまいました……。時折感想に関して活動報告でぼそっと何か言うことがあります。

全部目を通しております!お役立ち情報とてもありがたいです!みんなぁー、生活の知恵も料理もいっぱい勉強になるよぉぉぉっ!

ブクマ登録ありがとうございます。

評価ありがとうございます。

励みになります。

そして、私の作品としては珍しく、レビューをもう一ついただきました!ありがとうございます!

さて、書籍化作業にやっと少しだけ入りました。キャラクター一覧表を提出せねばならず、うやむやだった目の色やら髪の色やら決めました。参考までにどうぞ。


ローファス 茶×茶 短髪

ユーリ 黒×黒 ストレートセミロング

カーツ 赤毛×茶 ツンツン短髪

キリカ うす茶×深緑 ふわふわ 肩まで

ブライス 金×青 サラサラ短髪前髪襟足長め


おっと、ついでに、旦那 黒×黒 禿ではない。(が、たぶん全国から禿げろの呪いを受けてるはずなので、近い将来禿げるかもしれない……)


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 誤変換:冷凍庫 うーん。じゃぁ、やっぱり冷蔵個があれば!冷凍保存できたら!
[良い点] 今日で一気にここまで読み進めたくらい楽しいです! [気になる点] すみません、誤字報告ができなかったのでこちらで失礼します。 最後の分の冷蔵庫の庫が個数の個になってます。 [一言] 是非…
[良い点] 焼きおにぎりの料理スキルとの関係にも興味は尽きないものの、ラスクに馴染んでいくジャムがどんな感じだか、とっても楽しみです。 [気になる点] 誤字報告: 最後から3文目 「じゃぁ、やっぱり冷…
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